なぜ業績不振企業は暗号資産を活用して株価を吊り上げないのか?その背景とリスクを解説

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株式市場では時折、「中身のない企業でも暗号資産やNFTを活用して話題性を作れば株価が上がるのでは?」という声が聞かれます。確かに過去には“バズワード”を使って短期的な株価上昇を演出した企業も存在しました。しかし、そうした手法が広く行われないのには明確な理由があります。

暗号資産導入による株価操作は可能なのか?

一部の企業が暗号資産、メタバース、NFTといった流行技術を発表しただけで株価が急騰した事例は実在します。たとえば、2021年のNFTブーム時に、NFT事業を発表した日本や米国の中小企業株が突如ストップ高になったケースも。

しかしそれは一時的な話題性であり、実体のない事業はやがて市場の期待に応えられず株価も下落しました。つまり、「吊り上げ」は一時的にできても、持続的な成長とは無関係なのです。

なぜすべての企業がやらないのか?倫理と規制の問題

暗号資産導入による株価吊り上げを目的とした動きには、証券取引法上の問題が潜んでいます。虚偽または誇大な情報を投資家に与えた場合、「風説の流布」や「相場操縦」に問われるリスクがあります。

たとえば、過去に某上場企業がAIやブロックチェーン関連事業の誇大PRにより金融庁から警告を受けた事例があります。実際の事業内容に乏しいにも関わらず期待を煽る行為は、市場の公正性を損なうため厳しく監視されているのです。

短期利益のためにリスクを取る必要性はあるか?

企業にとって株価が上がることは資金調達やイメージ向上にメリットがありますが、信頼性の失墜は長期的には致命傷となります。無理に仮想通貨やNFTといった話題に飛びついて信頼を損なえば、株主離れや訴訟リスクに直結します。

事実、暗号資産事業を始めたものの継続的に収益を上げられず、投資家の信頼を失った企業も多く存在します。

本業が厳しいからこそ問われる「再建戦略」

業績が低迷している企業が短期的に市場にアピールしたいという気持ちは理解できますが、市場は想像以上に実態を重視します。根本的な再建計画、コスト構造の見直し、新規収益源の確保といった取り組みの方が長期的には有効です。

一例として、赤字続きだったITベンチャーが受託開発とSaaS提供にシフトし、1年で黒字転換した成功例もあります。

まとめ:モラルではなく市場と法のルールがある

結論として、「暗号資産やバズワードで株価を吊り上げないのはモラルの問題」ではなく、明確な法規制と市場の合理性が背景にあります。企業が継続的に成長するためには、投機ではなく実体ある経営改善が必要です。

株主も、表面的な材料だけで株価が動いている企業には慎重になるべきです。企業も投資家も、一過性の話題ではなく持続的な価値創出を目指すことが、最終的には市場全体の健全性につながります。

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