投資信託が大きく上昇していると「今売却して、次の暴落で買い戻せば利益を最大化できるのでは?」と考える方も多いでしょう。NISA(少額投資非課税制度)では、非課税の恩恵を最大限に活かす戦略が重要です。本記事では、NISA口座で保有している投資信託の売却と再投資のタイミングについて、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
そもそもNISAの非課税メリットとは
NISA口座で得られた売却益や分配金は、通常課税されるところが「非課税」になるという大きなメリットがあります。特に長期的な運用においては、複利の力と税金の削減効果が相乗して資産形成を後押しします。
したがって、安易に売却を繰り返すと、本来受けられる非課税のメリットや、資産の複利成長の機会を逃してしまうリスクがあるのです。
売却して買い直すと投資枠を消費する
たとえば、新NISAの成長投資枠では年間240万円までの買付枠があり、売却してもその分の枠が回復することはありません。つまり、一度売却して同じ銘柄に再度投資すれば、二重に枠を使ってしまう形になります。
例:100万円で購入した投資信託を売却し、暴落後に再度100万円分を買うと、合計200万円の枠を消費します。このように「回転売買」は枠を圧迫する原因となります。
タイミング投資は本当に成功するのか?
「高値で売って安値で買い戻す」という戦略は理論上魅力的に思えますが、現実には非常に困難です。なぜなら、市場の天井や底を正確に見極めるのはプロでも難しく、心理的プレッシャーも大きいからです。
一度売ってしまった後、価格が予想以上に上昇してしまった場合、再エントリーのタイミングを失ってしまい、後悔する可能性もあるのです。
売却によるデメリットと注意点
NISAでの売却は非課税であっても、「売却=現金化」であるため、再投資するまでの間は市場から資金を外している状態になります。上昇相場が続けば、それだけ機会損失が生じます。
また、再投資する際には心理的に「今は高いから様子を見よう」と判断してタイミングを逃すことも。投資信託は長期保有による時間分散の効果があるため、短期的な売買を繰り返すことは本来の魅力を損なう可能性があります。
こんな場合は売却も一つの選択肢
ただし、以下のようなケースでは売却を検討しても良いでしょう。
- 投資信託が自分のリスク許容度を大きく超えた値動きをしている
- ライフプランの変化により現金が必要になった
- 他の魅力的な投資商品へ資金を振り分けたい
このような場合は、売却を前向きな資産配分の見直しと捉えることができます。
まとめ:NISAは長期目線が基本。焦らず運用を
短期的な値動きに一喜一憂するよりも、NISAの最大の利点である「非課税×長期保有」の効果を活かすことが、堅実な資産形成に繋がります。
もちろん、市場環境や個人のライフステージによって売却が必要な場面もありますが、あくまで全体戦略の一部として冷静に判断することが大切です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント