少額から始められる投資信託は、資産形成の入門として多くの人に利用されています。その中で「分配金0円」という表記に不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、これは必ずしも損をしているわけではなく、むしろ長期運用に適した戦略とも言えます。この記事では、分配金が出ない投資信託の仕組みと複利効果との関係についてわかりやすく解説します。
投資信託における分配金とは?
投資信託の分配金とは、ファンドが得た利益の一部を投資家に還元するものです。利子や配当金、売却益などが源泉になります。一般的に分配金は「受取型」と「再投資型」に分かれ、再投資型では自動的に再購入され複利効果が得られます。
ただし、分配金が0円であるからといって利益が出ていないわけではありません。ファンドが再投資方針を採っているか、市場の環境により判断されている場合もあります。
分配金が0円になる理由とは?
分配金が発生しない理由は大きく分けて以下の通りです。
- ファンドの方針が「無分配型」である
- 期中に十分な利益(配当収益や売却益など)がなかった
- 安易に分配せず、資産価値の向上を優先している
近年では、毎月分配型よりも再投資に回す「無分配型」が人気で、資産の成長を重視する運用方針が取られることが多くなっています。
分配金がなくても複利効果は得られるのか?
「分配金=再投資=複利効果」と思われがちですが、ファンド内で再投資を行っている場合、分配金を出さずとも同様の効果が得られます。これを「内部留保型の複利効果」と呼ぶことができます。
たとえば、基準価額が年々上昇していれば、分配金が0円でも投資元本が増加している可能性があり、最終的な売却時に利益(キャピタルゲイン)を得ることができます。
長期投資の成功には何が必要か
分配金の有無よりも、継続的な積立投資と市場の成長に伴う基準価額の上昇が重要です。インデックス型投資信託などは、配当を出さずとも市場全体の伸びを再投資に活かすことで着実に資産を増やすことが可能です。
たとえば、年利5%で20年間投資し続ければ、元本100万円が約265万円になる計算です(複利効果)。これは分配金がなくても実現可能です。
注意すべきは「分配金あり=得」とは限らない点
分配金を出すファンドは、その分基準価額が下がります。つまり、手元に現金が入ってくる代わりに、ファンドの価値が減少しているわけです。これに税金もかかるため、実質的なリターンが目減りすることもあります。
無分配型であれば非課税で再投資が進み、効率的な資産形成につながる可能性があります。
まとめ
投資信託で分配金が0円であっても、それは「運用に失敗している」や「利益がない」ことを意味するわけではありません。無分配型ファンドの多くは、内部で再投資を行い資産を増やしていく戦略を採用しており、長期投資においては複利効果を十分に享受することができます。分配金の有無だけでなく、ファンドの運用方針や市場環境をしっかり確認することが、成功の鍵となります。

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