投資の世界では「勝率9割」「月利30%」といった耳障りの良い言葉が、詐欺的な勧誘に頻繁に使われます。特に初心者にとって「勝率」という数字は、成功の確信を与えるように見えますが、そこには巧妙なワナが潜んでいることが多いのです。この記事では、なぜ詐欺師が「勝率」にこだわるのか、そしてその背景にある心理や対策について解説します。
なぜ詐欺師は「勝率」にこだわるのか?
「勝率9割」などの高い数値は、投資初心者の不安を和らげ、安心感を与えるための強力なフックです。実際には、勝率が高くてもトータルで損失が出る手法も存在するにもかかわらず、表面的な数字だけを切り取って説明されることが多いです。
例えば、「10回中9回勝つが、1回の負けでそれまでの利益をすべて吹き飛ばす」といったトレードでは、勝率は90%でも損益はマイナスになる可能性があります。詐欺師はこのような矛盾をあえて説明せず、「勝率」だけを強調して信頼を勝ち取ろうとします。
初心者が「勝率」に惹かれてしまう心理とは
投資を始めたばかりの人は「できるだけ負けたくない」「確実に勝ちたい」と考えるものです。そうした心理につけ込み、詐欺的商材や情報商材では、「勝率の高さ=儲かる」「勝率が低い=ダメな手法」といった誤解を利用します。
また、成功体験の少ない投資初心者にとっては「9割勝てる」という表現が、まるで未来が約束されているかのように錯覚させてしまいます。これが高額な教材や情報商材の購入につながるきっかけになってしまうのです。
実際の詐欺的手法の事例
過去には、SNSやLINEなどで「勝率95%のAI自動売買ツール」などと謳い、数十万円の利用料を請求する詐欺が多数報告されています。
ある被害者の例では、「1日5分の操作で月30万円」「無料モニター募集」などの広告に誘導され、実際にはツールの中身もブラックボックスで資金は引き出せなくなったというケースもあります。[参照:消費者庁・投資詐欺に関する注意喚起]
「勝率」よりも重要な判断指標とは?
本来、トレード手法の評価には「勝率」だけではなく、「リスクリワード比」「最大ドローダウン」「資金管理ルール」などの複合的な要素を見なければなりません。
たとえば、勝率50%でも、1勝あたりの利益が1万円で損失が3,000円なら、トータルでプラスになります。数字の一部だけを見るのではなく、全体的なリスクと収益構造を見極めることが重要です。
投資詐欺に引っかからないための具体的対策
- 「勝率」だけを強調する広告には警戒する
- 金融庁・消費者庁の警告リストを確認する
- 高額な情報商材を即決せず、第三者のレビューを調べる
- 内容の根拠や実績を「第三者が検証できる形」で示しているか確認する
特に、販売者が顔出しや会社情報を明示していないケースは要注意です。冷静な視点で情報を見極めましょう。
まとめ:「勝率」に騙されない投資家になるために
「勝率9割」などの表現は、確かに魅力的に見えるかもしれません。しかし、投資の本質は「トータルでプラスにできるかどうか」です。
過度に都合の良い数字を掲げる勧誘には十分に注意し、自分の資産は自分で守るという意識を持って情報の真偽を見極めていきましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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