新NISAを活用してS&P500連動型の投資信託に長期投資を行う人が増えています。しかし「もし10年後、基準価額も為替もまったく同じだったら?」という仮定に対して、資産はどうなるのか、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。本記事では、そんなケースで分配再投資が運用成果にどのように影響するかを解説します。
前提条件:基準価額と為替が変わらないとは?
ここでの仮定は以下の通りです。
- 10年後もS&P500の基準価額(円換算)が変動せず横ばい
- 為替も10年間変動せず一定
- 投資信託は配当込みインデックスで、分配金は再投資される
このような状況は現実にはあまり起こりにくいですが、理論的には「価格変動なし、為替変動なし、配当のみが発生する」状態と仮定できます。
分配再投資型ファンドの仕組み
S&P500連動型のインデックスファンドは、アメリカ株式からの配当をファンド内で受け取り、これを自動的に再投資(再購入)する設計になっていることが一般的です。
そのため、基準価額が一定であっても、ファンド内の口数や基準価額に織り込まれる再投資効果によって、最終的な資産額は増加する可能性があります。
実例で見る:基準価額一定でも増える仕組み
例えば以下のようなシミュレーションが考えられます。
項目 | 初年度 | 10年後 |
---|---|---|
基準価額 | 20,000円 | 20,000円 |
年間利回り(配当再投資) | 2% | 約21.9% |
資産価値 | 100,000円 | 約121,900円 |
このように、基準価額が変わらなくても再投資によって保有総額が増加するため、最終的に資産が増えていることになります。
分配型との違いに注意
ここで注意したいのは、「分配再投資型(再投資型)」と「定期分配型(受取型)」の違いです。
再投資型は受け取った配当を自動的に再投資するため、複利効果が働きます。一方、分配金を受け取るタイプでは口数が増えないため、資産の増加には繋がりにくい構造です。
税制優遇と再投資の相性
新NISAでは配当や売却益が非課税になるため、再投資の恩恵を最大限受けるには分配金を受け取らずに再投資する運用が非常に有効です。
同じ基準価額でも「配当を内部で再投資している」ファンドは、10年後には実質的に増えている可能性が高いのです。
まとめ:基準価額と為替が一定でも“増える”可能性あり
・S&P500連動型の再投資型ファンドであれば、基準価額が一定でも配当再投資による資産増加が期待できる。
・10年間で2%の配当利回りでも、複利で約22%近い差がつく。
・分配受取型ではこの効果が期待できないため、新NISAとの相性を考えると再投資型が優位。
つまり、「価格が動かない=資産が増えない」とは限らず、分配金の再投資によってしっかりと資産形成は進んでいくのです。

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