積立投資と一括投資は同じ?1年後の結果が同じ利益ゼロでも違いは大きい

資産運用、投資信託、NISA

投資信託を使った資産形成の方法として「積立投資」と「一括投資」があります。仮に積立投資を1年間続けた結果、利益がゼロだったとした場合、「同じ金額を今一括で投資したら、同じ結果になるのか?」という疑問を持つ方は多いかもしれません。本記事では、その仕組みと考え方の違いについて解説します。

積立投資とは?平均購入単価を下げる効果に注目

積立投資とは、定期的に一定額をコツコツと投資信託などに投資する方法で、価格変動のある金融商品においてはドルコスト平均法という効果が期待できます。価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことになり、長期的には平均購入単価が下がる可能性があります。

例として、月1万円を1年間積み立て、投資信託の価格が毎月変動しながら結果として基準価額が元の水準に戻った場合、利益は0%でも安く買った月もあったため、より多くの口数を保有していることになります。

一括投資の特徴:購入時点の価格に大きく依存

一方、一括投資はまとまった資金を一度に投入する方法です。価格が上昇すれば短期間で大きな利益を得られますが、タイミングによっては大きな損失リスクも伴います。積立と異なり分散効果はなく、購入価格がすべてを決定づけます。

たとえば、今100万円を投資して、その後価格が下がり、1年後に元の価格に戻ったとしても、精神的ストレスやリスクの高さは無視できません。

1年後に「利益0%」でも投資の構造は異なる

積立投資を1年間行って最終的に評価額がプラマイゼロだった場合、それは途中で価格が下がったり上がったりしながら平均化された結果です。一方、一括投資で評価額が1年後にゼロ%だったとしても、それは単に価格が行って来いだっただけです。

この違いは、積立の方が時間分散によるリスク分散が効いているという点です。一括投資では「結果」は同じでも「過程」に大きな差があることに留意が必要です。

実例比較:積立と一括、同額を投入したら?

積立額 基準価額 購入口数
1月 10,000円 10,000 1口
2月 10,000円 8,000 1.25口
3月 10,000円 12,000 0.83口

このように価格が上下する中で積立をした場合、最終的に価格が元に戻っても、安い時に多く買っていたため保有口数は増え、利益が発生する可能性もあります。

どちらが良い?それぞれのメリットと使い分け

  • 積立投資のメリット:リスク分散、精神的な負担が小さい、初心者向き
  • 一括投資のメリット:上昇相場での利益最大化、資金を早く運用できる
  • 使い分け:タイミングが読めないなら積立、有望な相場なら一括もあり

どちらも一長一短なので、目的とリスク許容度に応じて選びましょう。

まとめ:見た目の「結果」が同じでも中身は違う

  • 積立と一括は投資結果の「見た目」が同じでも中身は異なる
  • 積立はリスク分散効果があり、心理的にも続けやすい
  • 一括はリターン最大化も可能だがタイミングに依存
  • 両者の仕組みと特性を理解し、目的に合った方法を選ぶことが重要

投資は時間とリスクをどう分散するかが鍵です。同じ「0%」の結果でも、積立と一括では背景がまったく違うという点を理解することが、次の一手を決めるヒントになります。

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