米国債購入時の為替リスクと損益計算方法: ストリップス債の例

資産運用、投資信託、NISA

米国債を購入する際に考慮すべき要素の一つは為替リスクです。特に日本円で購入する場合、為替レートの変動が最終的な損益に大きな影響を与えることがあります。この記事では、米国債(ストリップス債)の購入例を通して、為替レートの変動が損益に与える影響を具体的に計算する方法について解説します。

ストリップス債とは?

ストリップス債とは、利息が支払われない米国国債の一形態で、元本と利息を分離して売買するものです。一般的に、利息が0%という特長を持つため、購入価格が割引価格で提供されます。

たとえば、顧客がストリップス債を購入すると、満期日に額面金額が支払われる一方で、購入時には額面金額よりも低い価格で購入することができ、その差が利益となります。

為替リスクとその影響

米国債を購入する際、米ドル建てであるため為替レートが変動すると、最終的な損益に影響が出ます。購入時の為替レートが1ドル160円、満期時の為替レートが1ドル110円の場合、円換算での損益を計算する必要があります。

例えば、100万円を投資し、1ドル160円のレートで購入すると、100万円 ÷ 160円 = 6250ドルが購入額となります。その後、満期日に1ドル110円に為替レートが変動すると、6250ドル × 110円 = 687,500円が返還されます。

購入価格と償還価格の違い

ストリップス債の場合、購入価格は額面よりも低い価格で販売されるため、投資家が得る利益は購入価格と償還価格の差額となります。上記の例で言うと、購入価格が33.45であった場合、1000米ドル分のストリップス債を購入するには33.45 × 1000ドル = 33,450円です。

その後、満期日には額面金額である1000米ドルが償還されますので、為替レートが110円であれば、1000ドル × 110円 = 110,000円が償還されます。差額の110,000円 – 33,450円 = 76,550円が利益となります。

為替変動による最終損益の計算例

次に、為替変動が最終的な損益にどのように影響するかを、具体的な数値を用いて計算してみましょう。

まず、購入額が100万円で、1ドル160円のレートで購入した場合、100万円 ÷ 160円 = 6250ドルとなります。

その後、満期日には1ドル110円となるため、6250ドル × 110円 = 687,500円となります。この金額は円換算で、最初に投資した100万円よりも少なくなりますので、損失が発生します。損失額は100万円 – 687,500円 = 312,500円となります。

税金を考慮した損益計算

米国債の売却益には税金がかかります。日本の税制では、米国債の利益は雑所得として課税され、所得税が適用されます。このため、税引後の最終損益を計算する際には、税金を差し引いた額を考慮する必要があります。

たとえば、税率が20%だと仮定した場合、312,500円の損失に対して20%の税金がかかります。税金額は312,500円 × 20% = 62,500円となりますので、最終的な損失額は312,500円 – 62,500円 = 250,000円となります。

まとめ

米国債(ストリップス債)を購入する際には、為替レートの変動が最終的な損益に大きな影響を与えることがあります。為替リスクを軽減するためには、購入時と満期時の為替レートをよく確認し、必要に応じてヘッジを検討することが重要です。

また、税金を考慮した損益計算も忘れずに行い、税引後の最終的な利益や損失を正確に把握することが大切です。これらの要素を踏まえて、米国債購入の決断を行いましょう。

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