全世界株式インデックス、通称「オルカン(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」は、投資初心者から経験者まで幅広く支持されている投資商品です。S&P500と比較されることも多いオルカンですが、「構成銘柄に赤字企業が含まれるのか?」という点で混乱する人も少なくありません。本記事ではその疑問を丁寧に解説します。
オルカンの構成銘柄とその基準
オルカンの正式名称は「MSCI All Country World Index(ACWI)」で、世界約23の先進国と約27の新興国の大型・中型株約3,000銘柄を対象に構成されています。このインデックスには、黒字企業だけでなく赤字企業も含まれます。つまり、収益性の有無に関係なく、一定の流動性と時価総額を満たす上場企業であれば採用される可能性があります。
例えば、新興国市場においては収益変動が激しい企業も多く、短期的に赤字決算となる企業が含まれているケースも珍しくありません。
S&P500との違い:黒字企業に限定される理由
一方で、S&P500はアメリカの代表的な大型株500社で構成されており、基本的に「直近四半期の黒字決算」を維持していることが採用条件のひとつになっています。つまり、S&P500は意図的に赤字企業を排除する仕組みがあるという点で、オルカンとは異なる運用哲学が存在するのです。
そのため、投資家が「より安定的な収益を期待する」ならS&P500に、「より広範な分散と成長余地を重視する」ならオルカンへの投資が理にかなっていると言えるでしょう。
なぜオルカンには赤字企業が含まれるのか?
オルカンの構成基準では「国・地域・業種の分散」が重視されており、企業の収益性は必須条件ではありません。たとえば、新興市場では一時的に赤字であっても将来性の高い企業が多数存在し、それらを排除することでインデックス全体の分散効果が損なわれるリスクがあります。
また、先進国市場でも、AmazonやTeslaのように上場当初は赤字続きだったが、その後成長株として成功した例があるように、「将来の収益性」を評価するアプローチがオルカンの魅力の一つとされています。
投資家への影響とリスク管理の視点
赤字企業を含むという点はリスクにもなりますが、オルカンの特性として全世界に分散投資されているため、1社または少数の赤字企業の業績悪化がポートフォリオ全体に及ぼす影響は非常に限定的です。
それでもリスクを懸念する場合は、S&P500や日本株ETFなど他のインデックスと組み合わせて「ポートフォリオ全体のバランス」を取るのが賢明です。
具体例:構成銘柄に含まれる赤字企業
例えば、2023年時点でMSCI ACWIに含まれていた一部新興国企業は、当期純損失を計上しているケースが見られます。ある中南米の通信企業や東南アジアのEコマース企業などが該当します。
しかし、それらは市場全体で見ると極めて小さい比率であり、指数の成長や安定性を大きく損なう要因ではありません。
まとめ:投資判断の材料としての理解を
オルカンには赤字企業も含まれていますが、それは分散投資という観点で合理的に設計された結果です。対してS&P500はより収益性を重視する構成基準を持ちます。
「将来の成長性に賭けるか」「安定的な収益を重視するか」。この視点から、それぞれのインデックスをどう組み合わせるかが、個人投資家にとっての鍵となるでしょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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