60歳からの投資戦略:レバレッジ投資は本当に正解か?リスクと現実的な代替策を解説

資産運用、投資信託、NISA

60代からの資産形成や運用において、「時間がないからレバレッジをかけた方がいいのでは?」と考える方は少なくありません。しかし、人生100年時代といわれる今、60歳からでも長期的な視点は必要です。本記事では、レバレッジ投資のメリット・デメリットを踏まえつつ、現実的な投資戦略を解説します。

レバレッジ投資とは?その特徴をおさらい

レバレッジ投資とは、自己資金以上の資金を借りて投資を行う手法です。たとえば2倍のレバレッジを使えば、100万円の自己資金で200万円分の投資ができます。

この方法のメリットは、相場が上昇すれば短期間で資産を大きく増やせる点にあります。ただし、下落時には損失も2倍になるため、リスク管理が極めて重要です。

60代の投資におけるリスク耐性とは

一般的に、年齢が上がるほどリスク耐性は低くなるとされています。60代では「元本割れのリスクをできるだけ避けたい」という人が多く、全財産をレバレッジ投資に回すのは現実的ではありません。

実際の調査でも、高齢期に突入した投資家の多くは、安定資産やインカムゲイン型資産へのシフトを行っています。

成功する人もいる?レバレッジ運用の実例

たとえば、日経レバETF(1570)や米国レバレッジETF(SPXLなど)にフルベットして、退職金を数年で2倍にしたという報告もあります。しかし、これは結果論であり、リーマンショックのような暴落時には資産の大半を失ったケースも数多く存在します。

また、老後に生活資金が底をつき、「生活保護を申請するしかなくなった」という極端な例もあり、レバレッジ投資の怖さは十分認識しておく必要があります。

代替策①:バランス型ポートフォリオの構築

リスクを抑えながらリターンを狙いたい場合は、株式・債券・REITのバランス型ポートフォリオが有効です。具体的には。

  • 株式:50%
  • 債券(個人向け国債や社債など):30%
  • REIT(不動産投資信託):20%

これにより、価格変動リスクを分散しつつ、安定したインカムゲインも狙うことができます。

代替策②:配当株・高利回りETFへの投資

「毎月の生活費を補いたい」という方には、配当利回りの高い銘柄やETFが人気です。たとえば以下のような銘柄が挙げられます。

  • 日本株:三菱HCキャピタル(8593)など
  • 米国株:VYM、HDVなど高配当ETF

これらは安定して配当収入が得られるため、元本を減らさずに収益を確保する選択肢として有効です。

代替策③:積立型レバレッジ商品の活用

短期のレバレッジ投資はリスクが高いですが、積立型で分散投資する方法であればリスクは抑えられます。たとえば「レバナス(iFreeレバレッジ NASDAQ100)」を月1万円ずつ購入するなど、時間分散によるリスク軽減が可能です。

まとめ:レバレッジよりも戦略的な分散がカギ

60代は「資産を増やす」よりも「資産を守る」ことに重点を置くべき年代です。短期間で増やしたい気持ちは理解できますが、レバレッジ投資は慎重な判断が求められます

レバレッジを一部にとどめ、残りは安定資産やインカム型商品に配分するバランス運用こそが、老後資産を守る現実的な戦略です。

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