NISAを活用した資産形成で重要な概念の一つに「複利」があります。しかし、複利の確定タイミングや「確定」という表現そのものに混乱がある人も多いのが実情です。本記事では、NISAと複利の基本的な仕組みやタイミングについて具体例を交えて解説します。
複利とは「利益が利益を生む」仕組み
複利とは、投資で得た利益(配当や値上がり益など)を再投資することで、その再投資分もさらに利益を生むという仕組みを指します。単利が「元本だけに利子がつく」のに対し、複利では「元本+利益」に利子がつき続けるため、長期的には資産が加速度的に増えやすくなります。
たとえば、年間5%で複利運用した場合、10万円を1年間運用すると5,000円の利益が出て、翌年はその105,000円に対して5%が付きます。この積み重ねが「複利効果」です。
NISAにおける複利効果は「非課税+再投資」で実現
NISA制度では、配当金や売却益が非課税になる点が大きなメリットです。このため、複利で再投資した分の利益にも税金がかからず、より効率的に資産が増やせます。
たとえば、配当金や分配金を受け取らず自動再投資することで、その分も複利的に運用されます。NISAは「5年」や「新NISAでは無期限」で非課税運用できるため、再投資による複利の恩恵を最大限に活かすには長期保有がカギです。
「複利が確定する」とはどういう意味か?
「複利がいつ確定するのか?」という疑問はよくありますが、実際には「複利の利益が確定する」という明確な瞬間は存在しません。複利はあくまで資産の増加プロセスの一部であり、確定するのは売却時または配当受け取り時です。
仮に1月に投資したとしても、その時点で「複利が確定」することはなく、保有し続ける限り運用益として資産価値に反映され続けます。つまり「複利効果」はプロセスであり、売却して利益を確定した瞬間に初めて現金として確定するのです。
利率とは異なる「運用結果としての複利」
利率(リターン)は過去または予想の年間成長率を示します。一方、複利はその利率が毎年積み重なっていくことを意味します。たとえば、年利5%の運用商品で10年間放置した場合と、毎年利息を引き出した場合では最終的な資産に大きな差が出ます。
また、投資信託のような商品の利回りは「複利運用」を前提として設計されており、実際の年利よりも長期的には大きな差を生む可能性があることを理解することが重要です。
具体例:1月に投資した場合の流れ
1月にNISAで10万円を投資し、年利5%の投資信託を購入したと仮定します。12月末には10万5,000円になっている想定です。この利益はまだ「確定」ではありませんが、売却すれば非課税で受け取れます。売却せず保有すれば、翌年は10万5,000円が元本となり、さらに増えていきます。
このように、複利効果が効いてくるのは「売却せず保有し続ける」ことが前提であり、その「効果」は保有し続ける限り続くのです。
まとめ:NISAで複利を活かすには長期・非課税・再投資
・複利は「確定する」ものではなく「積み重なる」もの
・NISAでは非課税によって複利の効果が高まりやすい
・利率と複利は別概念だが密接に関係する
・利益を確定するのは売却や配当受け取り時
・長期保有・自動再投資が複利を最大化するコツ
正しく複利の考え方を理解し、NISA制度の特性を活かすことで、着実な資産形成が可能となります。

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