「iDeCo(イデコ)で積立中のオルカン(全世界株式)をゴールド系商品にスイッチングすべきか?」という問いは、インフレや地政学リスクが高まる中、気になる選択肢の一つです。本記事では、オルカンとゴールドそれぞれの特性やメリット・デメリット、スイッチング戦略の妥当性を中立的な立場で解説します。
オルカン(全世界株式)の特徴と位置づけ
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などで代表されるオルカンは、先進国・新興国すべてを網羅する株式インデックスファンドで、長期・分散・低コストという3拍子が揃ったコア資産です。
株式である以上、短期的な下落リスクはありますが、長期的には世界経済の成長に乗る形で資産形成が期待されます。
ゴールド投資の特性とは?
ゴールドはインフレヘッジや有事の際の資産防衛として歴史的に重宝されており、「実物資産」の代表格です。価格は景気や金利、ドルの動きに左右されやすく、株式と逆相関になりやすい傾向があります。
イデコ内でのゴールド商品は、実際には金価格に連動するETFや投信(たとえば「三菱UFJ 純金ファンド」など)で間接保有する形が一般的です。
スイッチングする前に押さえるべき視点
完全な乗り換え(全額スイッチ)をする前に、次の3点を考慮すべきです。
- 目的は「守り」か「成長」か:ゴールドはあくまで資産の価値維持・ヘッジ向き
- iDeCoの性質:原則60歳まで引き出せないため、短期の相場観による乗り換えは不利になることも
- 長期の視点で合理性があるか:どのフェーズのリスクを避けたいのか明確に
例:インフレがしばらく続くと予想するなら一部のスイッチは合理的です。
スイッチング戦略例:一部ヘッジとしての活用
一括スイッチではなく、全体の10〜30%をゴールドに振り分けることで、株式偏重からくる下落リスクを緩和する「バランス型戦略」が現実的です。
たとえば。
- オルカン70%
- 国内債券10%
- ゴールド20%
このようにすることで、オルカンの成長性とゴールドの防御力の“いいとこ取り”が可能になります。
実例:過去のゴールドと株式の逆相関
2020年コロナショック時、株式市場が急落した際に、ゴールドは一時的に上昇し、守りの資産としての機能を発揮しました。このようなシナリオは、今後の地政学・金融政策リスクでも想定される場面です。
まとめ:ゴールドスイッチは「一部+長期目線」で活用を
オルカンからゴールドにスイッチングするのは、投資戦略として“あり”ですが、iDeCoという長期投資制度の性格を考えると、全面的な切り替えよりも部分的なヘッジ用途での活用が合理的です。
ゴールドは値動きも大きいため、リスク分散の意味で20〜30%程度を目安に、オルカンと併用しながら長期での資産形成を目指すのが賢明な選択と言えるでしょう。

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