S&P500を買うと下がる?NISA運用でありがちな誤解と冷静な対処法

資産運用、投資信託、NISA

投資を始めたばかりの方にとって、購入直後の価格下落や損失は精神的なダメージが大きく、「何か不正があるのでは?」と感じるのも無理はありません。しかし、冷静に事実を整理することが、資産形成の第一歩です。この記事では、よくある疑問や不信感の原因を分解し、正しい投資への理解を深めていきます。

なぜ自分が買うと下がるように感じるのか

「買った直後に下がる」は、多くの投資家が経験する現象です。これは実際の価格操作や不正によるものではなく、ランダムな市場変動心理的バイアス(例:損失回避バイアス)が原因です。

また、SNSや掲示板で「同じような失敗をしている人の声」を目にすることで、自分の失敗が特別でないと知ることもあります。逆にそれを「仕組まれている」と誤解するケースも少なくありません。

S&P500やETFに価格操作はあるのか?

S&P500などのインデックスETFは、数百社以上の大型企業に分散投資された金融商品であり、金融庁の規制のもとで厳格に運用されています。価格は米国市場での値動きに連動しているため、個人の購入タイミングで上下するものではありません。

仮に不正があったとしても、それは証券会社や金融商品販売業者レベルでの話であり、ETF自体に仕掛けがあるという誤解は、情報リテラシーを高めることで払拭できます。

警察に被害届を出してもお金は戻らない理由

金融商品の損失は原則「自己責任」であり、相場の変動による損失は犯罪ではないため、警察は介入できません。詐欺行為など明確な違法性がある場合は別ですが、インデックスETFの価格変動についての苦情は、返金の対象にはなりません。

仮に相談する場合は、金融庁の相談窓口や、証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)が公的なルートとなります。

感情的な売買が損失を生む典型的な例

例えば、Aさんは2023年にS&P500を買った直後に米国市場の調整で5%下落。焦って売却した後、2024年には20%の上昇。結果的に大きな機会損失を出しました。

一方、Bさんは同じ時期に買い、5年間ホールドを決めて放置。短期の下落に動じず、最終的に30%以上の含み益を得ました。

NISAの本質は「長期・積立・分散」

新NISA制度は長期的に非課税メリットを活かす仕組みです。短期的な値動きに一喜一憂することこそ、損失の元となります。長期投資では、「時間」が最大の味方となります。

暴落時は「買い増しチャンス」ととらえ、数年スパンでの資産形成を意識しましょう。

まとめ:不信感よりも知識と冷静な判断を

「買ったら下がる」「売ったら上がる」という現象は、偶然や相場のタイミングによるものです。不正取引ではなく、感情的な売買や情報不足が損失の要因になることがほとんどです。

まずは情報を整理し、正しい知識を得ること。感情に流されず、長期的な視点で資産を育てていくことが、投資成功への鍵です。

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