投資家にとって必須の情報源である「会社四季報」では、企業の業績予想が数年先まで掲載されていることがあります。たとえば2027年度までの予想が記載されている場合、企業の決算短信などと食い違って見えることもあり、「なぜそんなに先の予想が載っているのか」と疑問に思う人も少なくありません。
会社四季報の業績予想は独自に作成されている
結論から言うと、会社四季報に掲載されている業績予想は、東洋経済新報社の記者が独自に取材・分析して作成しているものです。企業が開示しているものとは限らず、将来的な経済動向や企業の成長戦略、業界トレンドなどを加味して記者が予測しています。
たとえば、企業が公開している予想は多くの場合「今期(年度)」と「次期」までですが、四季報では3期先(最大で4期先)まで掲載されることがあります。これは、投資家が将来の企業価値を見積もるための材料として活用できるようにする意図があります。
どうやって予想が作られているのか
東洋経済の四季報担当記者は、対象企業に対してヒアリングを行い、IR資料・決算説明資料・業界紙など多面的に情報を収集します。そのうえで、独自の財務モデルや成長率推計をもとに予測数値を構築します。
このプロセスでは、企業側が明確な数値を開示していない場合もあり、あくまでアナリスト的な予測として捉える必要があります。
会社四季報の予想の見分け方
四季報のページを見ると、「会社予想」や「四季報予想」などの注釈があることに気づくでしょう。たとえば、売上高・営業利益などの横に「四季予」や「会予」と記載されていれば、それが出典の目安です。
四季報予想と会社予想が大きく違う場合は、四季報側がより積極的な業績改善や悪化を予測している可能性があるため、内容を精査する価値があります。
実例:四季報独自予想の的中例と外れ例
たとえば、2020年以降の某IT企業では、会社が控えめな来期予想を出していた一方で、四季報では強気な数値が掲載されていました。結果として、実際の決算は四季報予想に近い内容となり、先見性が評価された事例です。
逆に、2022年の小売業界では、コロナ収束を前提に急回復を見込んだ四季報予想が掲載されたものの、景気の停滞により結果が大きく下振れしたケースもありました。このように、あくまで予測であることを忘れずに活用する必要があります。
予想が有用なケースと注意すべき点
中長期投資を考える上では、会社がまだ公表していない未来の業績イメージを掴むためのヒントとして非常に有効です。特に、小型株や新興企業では会社予想が非開示のケースも多く、四季報の独自予想が重要な材料になります。
ただし、予想を過信しすぎるのは禁物です。株価の材料として考慮する場合も、他の指標(PERやPBR、配当利回りなど)と合わせて判断しましょう。
まとめ:四季報予想は投資家の武器にもなる
会社四季報に記載される業績予想は、東洋経済新報社の独自取材と分析に基づいて作成されたものであり、企業の公式見通しではないことを理解しておく必要があります。とはいえ、将来の業績トレンドを先取りする貴重な情報源として、適切に活用することで投資判断の精度を高めることができます。
今後の株式投資で四季報を有効に使うためにも、情報の出所や前提条件をしっかり把握する習慣を身につけておきましょう。

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