経済学や公民の授業では、GDP(国内総生産)やNNI(国民純所得)といった指標がよく登場しますが、公式の混同や表現の違いによって混乱することも少なくありません。この記事では、NNIの正しい定義と求め方、そしてGDPとの違いについて、具体的な数式や例を交えてわかりやすく解説します。
そもそもGDPとは?
GDP(国内総生産)は、ある国の経済活動によって一定期間内に生み出された財やサービスの付加価値の総額を指します。これは以下の式で表せます。
GDP = 総生産額 - 中間生産物
ここでいう「中間生産物」とは、最終製品を作るために使われた原材料や部品などです。つまり、付加価値だけをカウントすることで、二重計算を避けています。
GNIとNNIの違い
GNI(国民総所得)は、GDPに「海外からの純所得(所得の海外受取-支払)」を加えたもので、国民が世界中から得た所得の合計を表します。
GNI = GDP + 海外からの純所得
そしてNNI(国民純所得)は、このGNIから「固定資本減耗(設備の老朽化による価値の目減り)」を差し引いたものです。
NNI = GNI - 固定資本減耗
この段階で、初めて「純」所得となります。
NNIをGDPベースで求める公式は?
実は先生の言った式「NNI = 総生産額 – 中間生産物 – 固定資本減耗」は、次のように言い換えられます。
NNI = GDP - 固定資本減耗
つまり、総生産額から中間生産物を引いた時点でGDPになっており、そこから固定資本減耗を引けばNNIになるため、数学的に正しいです。表現が違うだけで意味は一致しています。
実例で考える:具体的な数値を当てはめてみよう
例えば、ある国の総生産額が1,000兆円、中間生産物が600兆円、固定資本減耗が50兆円としましょう。
- GDP = 1,000兆円 – 600兆円 = 400兆円
- NNI = 400兆円 – 50兆円 = 350兆円
また、GNIの値が450兆円だったとすれば。
- NNI = 450兆円 – 50兆円 = 400兆円
このように、GNIベースとGDPベースのNNIの計算どちらも正しいですが、どの基準で出しているかを明確にする必要があります。
なぜ表現の違いがあるのか?
教科書では指標を整理して順を追って説明するため、「GNI → NNI」という流れで示すことが多いですが、現場の先生や資料によっては「GDP → NNI」という形で説明されることもあります。
また、大学入試や資格試験でも両方の公式が登場するため、どちらの表現も正しいと理解し、文脈で判断することが大切です。
まとめ:混乱しないためのポイント
NNI(国民純所得)を求める際は、基準がGDPかGNIかを明確にすることがポイントです。
- GDPベース:
NNI = GDP - 固定資本減耗
- GNIベース:
NNI = GNI - 固定資本減耗
どちらの公式も正確であり、経済指標の理解を深めるには、このような複数の視点から学ぶことが重要です。混乱したときは、必ずそれぞれの定義に立ち戻って確認しましょう。

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