NISA口座の拡充により、個人投資家の間で人気銘柄の動向がますます注目されるようになっています。特に話題になるのが、「NISAで人気の銘柄は信用取引でも人気になり、信用倍率が悪くなるのか?」という点です。この記事では、NISA銘柄と信用倍率の関係について、仕組みから実例までわかりやすく解説します。
NISAと信用取引の基本的な違い
NISA(少額投資非課税制度)は、現物株の売買による利益や配当金に税金がかからない制度です。一方、信用取引は証券会社から資金や株式を借りて売買を行う仕組みで、レバレッジを利かせた取引が可能です。つまり、NISAは保有目的が中心であるのに対し、信用取引は短期的な値動き狙いが主流です。
この性質の違いから、同じ銘柄であっても投資目的やタイミングが異なるケースが多く見られます。
信用倍率とは?なぜ人気銘柄で悪化するのか
信用倍率は「買い残÷売り残」で計算され、数値が高いほど信用買いが多く、需給バランスが偏っているとされます。特にNISAで人気化した銘柄は注目度が高いため、個人投資家が信用買いでも飛びつきやすく、買い残が増えて倍率が高騰しやすくなります。
たとえば、過去にNISAで人気だった高配当株の中には、信用倍率が10倍以上に達した例もあります。
実例:NISA人気銘柄が信用倍率に与えた影響
2023年にNISAで注目された電力株や銀行株は、現物買いだけでなく信用買いも活発に行われたことで、信用倍率が大幅に上昇しました。東京電力ホールディングス(9501)では一時的に買い残が膨れ上がり、信用倍率が20倍を超える場面もありました。
このように、NISAで注目される=信用倍率が悪化しやすいという傾向は、一定の相関があるといえるでしょう。
信用倍率が高くなると何が問題になるのか?
信用倍率が高い銘柄は、需給のバランスが偏っているため、株価が思うように上昇しないリスクがあります。特に信用買いが多すぎる場合、投げ売り(ロスカット)が連鎖しやすく、株価が急落する要因にもなりかねません。
また、逆日歩が発生しやすくなるため、空売りのコストが高くなったり、思わぬ含み損を抱えるリスクも考慮が必要です。
NISAと信用倍率の関係を読み解く投資戦略
NISA銘柄を選ぶ際には、信用倍率もあわせてチェックすることが大切です。過度に信用買いが集中している銘柄は、短期的な値動きに不安定さが出やすいため、中長期でじっくり持ちたい銘柄との相性が悪くなります。
日本取引所グループ(JPX)などで週次の信用残高や信用倍率が公開されていますので、定期的に確認すると安心です。
まとめ:NISA銘柄選定では信用倍率にも注目しよう
NISAで人気の銘柄が信用倍率にも影響を及ぼすのは事実ですが、それが必ずしも悪いことではありません。大事なのは、その需給の偏りをどう読み解き、投資判断にどう活かすかです。
短期売買と長期投資の目的を明確にし、信用倍率が極端に高い場合は慎重に判断することで、無用なリスクを避けた賢い資産運用が可能になるでしょう。

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