新NISAで増えた分だけ売却する運用はアリ?“お小遣い戦略”の是非と注意点

資産運用、投資信託、NISA

新NISA制度を活用して成長投資に取り組む中で、「少し利益が出たらその分だけ売却して現金化する」というスタイルを検討する人も少なくありません。このような“お小遣い戦略”は邪道なのでしょうか?この記事では、新NISAにおける部分売却の考え方や注意点、実例を交えて解説します。

新NISAは売却自由。部分売却も合法的な選択肢

新NISA(2024年制度改正後)は、成長投資枠とつみたて投資枠を併用でき、売却・再利用の自由度が高まりました。特に成長投資枠では、売却しても非課税枠が再利用可能となっており、利益確定のハードルが以前より下がっています。

つまり、100万円投資して5万円の利益が出た段階で5万円分だけ売却し、利益を確保するというのは「制度的にも問題なし」であり、戦略としても一定の合理性があります。

お小遣い戦略のメリットとは

このようなスタイルには以下のようなメリットがあります。

  • 含み益を確定し心理的な安心感を得られる
  • 資産を現金化して生活に活用できる
  • 再投資枠があるため、非課税枠をムダにしない

特に「目的を持った投資(旅行資金・教育資金など)」をしている場合、一定のタイミングで売却し現金を確保するのは、極めて実用的な判断です。

注意点:長期複利の力を失わないように

一方で、「利益が出るたびに売ってしまう」ことで、長期複利のメリットを削ぐことにもなりかねません。

たとえば、年利5%の投資を20年間継続した場合、最初の100万円は約2.65倍(265万円)になります。これを途中で何度も引き出すと、時間の複利効果が分断され、最終的な資産形成に差が出てしまう可能性があります。

実例:2つのパターンで比較してみる

投資スタイル 元本 運用年数 年利 最終資産
売却せず放置 100万円 20年 5% 約265万円
5万円利益ごとに都度売却 100万円 20年 5% 約200万円前後

どちらも戦略として否定されるものではありませんが、目的やライフスタイルに応じて使い分けるのが理想です。

この運用が向いている人・向いていない人

向いている人:

  • 投資利益を日常の生活費に活用したい
  • 長期保有に心理的抵抗がある
  • ある程度キャッシュをすぐに使いたい目的がある

向いていない人:

  • 長期で資産を最大化したい
  • 再投資の手間をかけたくない
  • 市場のタイミングを読むのが苦手

こうした視点で自分に合うスタイルかを判断するのが賢明です。

まとめ:新NISAでの部分利益確定は“戦略の一つ”であって邪道ではない

新NISAにおいて「少し増えたら売る」という投資スタイルは、制度的にも認められている選択肢です。邪道というより、資産形成とライフプランに応じた“使い方の自由”が新NISAの魅力です。

複利成長を重視するか、キャッシュフローを優先するか。そのバランスを取って、自分らしい資産運用を設計していきましょう。

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