DAX連動ETFの為替ヘッジは必要か?円安時代に考えるドイツ株投資の戦略

株式

世界経済が不安定な中、分散投資として欧州株式に注目が集まっています。特にドイツの代表的な株価指数「DAX」に連動するETF(上場投資信託)は、日本の投資家にも人気です。この記事では、DAX連動ETFにおける「為替ヘッジあり/なし」の選択や、日本の円安傾向をふまえた戦略について解説します。

DAXとは?ドイツ経済を代表する株価指数

DAX(ダックス)は、ドイツのフランクフルト証券取引所に上場する主要企業40社の株価から構成される指数です。SAP、シーメンス、BMW、アディダスなど、グローバル企業が名を連ね、ヨーロッパ経済の健全性を測る指標とも言えます。

日本の投資信託やETFを通じて、DAXに連動した運用を行う商品は複数あり、その中には「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」が選べるものもあります。

為替ヘッジあり・なしETFの違いとは?

為替ヘッジありETFは、為替変動の影響を受けにくく設計されています。つまり、ドイツ株が上がればそのまま円ベースでも利益になりますが、円高になっても損失は抑えられます。一方、為替ヘッジなしETFは、株価と為替両方の影響を受けます。

たとえばドイツ株が横ばいでも、ユーロ高・円安が進行すれば日本円での評価額は上がります。反対に円高になると、ドイツ株が上昇していても円ベースでの利益は目減りする可能性があります。

円安傾向の日本では為替ヘッジなしが有利?

2024年以降、日本は歴史的な円安局面にあります。賃金が上がらずインフレに追いつけない中で、円の購買力は相対的に下がっています。こうした環境下では、「為替ヘッジなし」のETFの方が為替差益も期待できると言えるでしょう。

たとえば1ユーロ=120円のときにDAX ETFを購入し、その後円安が進行して1ユーロ=140円になれば、為替だけで約17%の上昇要因になります。ドイツ株が横ばいでも円ベースで利益が出る構造です。

為替ヘッジの手数料とその影響

為替ヘッジありETFは、通貨スワップや先物契約などのコストを内包しており、年率0.2〜0.5%程度のヘッジコストがかかることが一般的です。市場が安定しているときはこのコストが重荷になり、パフォーマンスを下げる要因となることもあります。

特に円安トレンドが継続する局面では、ヘッジコストを払ってまでリスクを排除するよりも、あえて為替に乗る戦略の方が合理的です。

消費と経済成長のジレンマが生む構造的な円安

日本では賃金が上がらない一方で、企業の収益は自動化や省人化により堅調です。しかし、消費者の購買力が伸び悩むことで内需拡大は限定的となり、輸出主導・外貨収益型の経済構造が強まっています。

結果的に、円の需要は縮小し、円安圧力が継続する見通しです。この構造が続く限り、海外資産に投資し為替の利益を享受する選択肢は理にかなっているといえるでしょう。

まとめ:為替の流れを読むことでETF選びは変わる

ドイツ株ETFにおいて「為替ヘッジなし」を選ぶことは、円安トレンドの中では利益を最大化する可能性が高まります。一方で、円高リスクを避けたい場合は「為替ヘッジあり」を選ぶことで安定性を確保できます。

為替動向、自分のリスク許容度、投資期間を総合的に考え、ETFのヘッジ有無を選ぶことが重要です。今後の投資判断にお役立てください。

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