株式投資をしていると、利益だけでなく損失が出ることもあります。その損失をうまく活用する方法として知られるのが「損益通算」や「繰越控除」です。特に年末に行われる「節税クロス(損出し)」は、税金対策として多くの投資家が実践しています。この記事では、2024年の株式相場の動向も軽く振り返りながら、損失が大きく出た場合の対処法について詳しく解説します。
節税クロスとは?その目的と注意点
節税クロスとは、含み損のある株式を年末に一旦売却し、その直後に買い戻すことで、損失を確定させて利益と相殺(損益通算)し、税金を軽減する手法です。
この方法はNISA口座では使えず、特定口座(源泉徴収あり/なし)や一般口座で運用している場合に適用されます。ただし、実際の節税額や影響は個人の損益状況によって異なります。
2024年の相場動向と損出しの影響
2024年の株式市場は前半こそ堅調でしたが、後半にかけては米国金利の不透明感や地政学的リスクの影響で値動きの激しい展開となりました。その影響で年末には節税クロスによる売り圧力も増加しました。
例えば、年内に100万円の利益が出ていた場合、損出しで90万円の損失を確定すれば、実質課税対象は10万円になり、約20万円の税金が圧縮される計算になります。
繰越控除のルールと適用の仕組み
株式などの譲渡損失は、最大3年間繰り越して翌年以降の利益と相殺することができます。この制度を「譲渡損失の繰越控除」と言います。
例えば2023年に100万円の損失が出て、2024年に利益が出なかった場合、2025年までその損失を繰り越せます。損出しによって生じた290万円の損失が、昨年以前の繰越控除と合算されて「十分に相殺されてしまった」というケースも考えられます。
損失が大きすぎて繰越控除で使い切れないとき
損失の方が利益より多すぎると、控除しきれなかった残りは翌年に繰り越すことになります。繰越控除を受けるには、毎年の確定申告が必須で、1年でも申告を忘れると以降の控除は無効になります。
そのため、2024年に利益が少なくても、2025年・2026年に向けて損失を生かせるよう、継続的な申告管理が必要です。
実例:節税クロスで損失が出たAさんのケース
Aさんは2023年に80万円の損失を出し、2024年の節税クロスでさらに290万円の損失を出しました。2024年は配当や譲渡益を合わせても150万円の利益しかなかったため、残りの損失220万円は2025年以降に繰り越し予定となりました。
このように、損失が多く出た場合も、次年度以降の利益と通算できるため、長期的な節税効果が見込めます。
まとめ:損失は「無駄」ではなく「資産」になる
一時的に損失が大きくなっても、繰越控除を活用することで、将来の利益を非課税化できる可能性があります。節税クロスは損失を「資産」に変える有効な手段です。
確定申告を継続し、毎年の損益を丁寧に管理することで、投資の成果はより効率的なものになります。たとえ「鼻から万国旗」が出ていようとも、冷静な損益管理が未来の利益を守るカギになります。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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