近年、オンライン証券口座のセキュリティ対策はますます厳格化しており、SBI証券では「FIDO認証(Fast Identity Online)」の導入が進んでいます。一部ユーザーからは「設定が面倒」「毎回認証が煩わしい」といった声も聞かれますが、その背景には高度な個人情報保護と不正アクセス対策の必要性があります。本記事では、FIDO認証の仕組みや回避可能性、そして外部セキュリティベンダーに対する安全性の考え方について、ユーザー視点でわかりやすく解説します。
FIDO認証とは?従来の2段階認証との違い
FIDO認証とは、パスワードを使わずに生体認証やセキュリティキーで本人確認を行う認証規格です。FIDOはパスワード漏洩のリスクを減らし、なりすましを防ぐことを目的にGoogleやMicrosoftなどが推進している世界基準です。
従来の2段階認証(SMSコードやメールワンタイムパスワード)と異なり、FIDOは「端末そのもの」に紐づく情報で認証されるため、第三者に盗まれにくくなっています。
SBI証券におけるFIDO認証の導入目的
SBI証券では、2023年以降順次FIDOによる生体認証やセキュリティキー登録を推奨・義務化しており、その背景には以下の理由があります。
- 不正ログインによる口座被害の急増
- フィッシング詐欺対策の強化
- 生体認証技術の普及に伴う利便性向上
これにより、スマホの顔認証や指紋認証で簡単にログインできるようになる一方、設定に不慣れなユーザーからは「手間が増えた」との声も上がっています。
FIDO認証を無効化・回避することは可能か?
結論として、現時点ではFIDO認証を完全に回避する方法は基本的に用意されていません。ただし、以下のような代替認証手段を選択できる場合もあります。
- スマートフォン未登録時:従来のID+パスワード+SMS認証でログイン可
- 認証機器トラブル時:カスタマーサポート経由で一時的な代替ログイン申請
ただし、これらは一時的措置であり、最終的にはFIDOの導入が推奨される仕組みとなっています。
外部セキュリティベンダーは本当に安全なのか?
FIDOの認証機能は、YubicoやFeitianなどの外部認証デバイス企業、またはOSベンダーによって提供されています。こうした企業が仮に買収されたり、経営危機に陥った場合、「セキュリティが維持されるのか?」という不安も理解できます。
しかし、信頼できるFIDO認証プロバイダーは次のような体制を整えています。
- FIDOアライアンス認証を受けた製品のみ提供
- 国際的なサイバーセキュリティ監査に準拠
- 端末側に鍵情報を保存し、クラウド上にパスワードが存在しない非依存型構造
つまり、外部企業に依存するように見えても、技術設計上は一極集中型リスクを避ける構造になっています。
ユーザーが安心・納得して使うためにできること
設定の煩雑さに悩む場合、以下の工夫で使いやすさを改善できます。
- ブラウザに指紋や顔認証を登録し、ログインを高速化
- モバイルアプリでの生体認証ログインを優先利用
- セキュリティキー(FIDO2対応)を利用して簡単ログイン
また、今後のトラブルを防ぐためには、初期設定時にバックアップコードの保存や代替手段の確認を行うことも重要です。
まとめ:セキュリティと利便性はトレードオフ、だからこそ“慣れ”が鍵
FIDO認証は「煩わしい」と感じる一方で、今後ますます必要とされるセキュリティ基盤です。完全な回避は難しいものの、使い慣れることで「簡単・安全」を両立できるようになります。
セキュリティベンダーの買収リスクに関しても、構造上は分散管理がなされており、大手金融機関が採用していること自体が安全性の証拠とも言えます。ユーザーとしては、情報を正しく理解し、自分にとって最も使いやすい設定を見つけて活用していく姿勢が大切です。

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