インフレとインデックス投資の関係:S&P500が2倍になっても意味がないって本当?

資産運用、投資信託、NISA

インデックス投資、とくにS&P500など米国株に投資するスタイルは、長期的に資産を増やす方法として人気があります。しかし「物価も一緒に上がったら意味がないのでは?」と感じる方も多いかもしれません。本記事では、インデックス投資とインフレの関係をわかりやすく解説します。

インフレとは何か?投資との関係を理解する

インフレとは、物価が持続的に上昇し、お金の価値が下がる現象です。たとえば、かつて100円で買えたものが120円になれば、実質的な購買力は低下したことになります。

つまり、投資で資産が増えても、同時に物価がそれ以上に上昇すれば「実質的な価値」は増えていない可能性があるというわけです。

S&P500とインフレ:実質リターンを見る

S&P500は過去100年近く、年平均約10%のリターンを記録していますが、そのうち約2〜3%はインフレ率によるものです。したがって、実質リターン(インフレ調整後)は7〜8%程度と言われています。

たとえば、資産が2倍になるのに7%の実質リターンなら約10年。これは歴史的に見て非常に高い成長です。

現金と比較した場合のインフレ耐性

銀行預金などの現金資産は、インフレに対して極めて弱く、金利が0.001%でインフレ率が2%であれば、実質的には資産が目減りしていることになります。

一方、S&P500など株式インデックスは企業の利益成長を反映するため、インフレが進行しても価格に反映されやすい特性を持っています。

具体例:1990年〜2020年のインフレとS&P500の比較

1990年から2020年の30年間で、米国のインフレ率は平均約2.3%。同期間のS&P500は年平均リターン約9.8%。この差を見れば、インフレを差し引いても大きな実質成長があることがわかります。

たとえば1990年に1,000ドルをS&P500に投資していたら、2020年には約17,000ドル。もし同額を現金で持っていたら、物価上昇により実質的な価値はかなり下がっていたでしょう。

インデックス投資はインフレヘッジになり得る

インデックス投資の魅力の一つは、広範な企業群への分散投資により、景気変動やインフレなどの経済リスクを平均化できる点です。特に企業が価格転嫁を行うことで利益を維持できれば、株価も維持・上昇しやすくなります。

また、S&P500は時代に応じて企業構成が変わり、時代をリードする企業(Apple、Amazonなど)を自動的に組み入れることで、パフォーマンスが相対的に保たれやすい構造となっています。

まとめ:資産が2倍=意味がない、とは限らない

・インフレを考慮しても、インデックス投資は実質的に資産を増やす可能性がある
・長期投資による複利効果と企業成長が、インフレを上回るケースが多い
・インフレ下でこそ、現金ではなく実物資産や株式への投資が有効

「インフレで意味がない」と感じる前に、実質リターンという視点でインデックス投資の真価を見直してみましょう。

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