米国債券を調べていると、格付けにアスタリスク(*)が付いていることがあります。例えば、「AA+(S&P)、Aaa(Moody’s)」のように表示され、注意書きとして「無登録格付に関する説明書を確認してください」といった文言が見られることがあります。
この「*付き格付」とは何なのか、また、投資する際にどのようなリスクがあるのかを詳しく解説します。
無登録格付(*付き格付)とは?
無登録格付とは、日本の金融商品取引法第66条の27に基づき、金融庁に登録されていない格付会社が付与した格付のことを指します。これには、国際的に広く認知されている格付機関である「S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)」「Moody’s(ムーディーズ)」「Fitch(フィッチ)」などが含まれます。
なぜ無登録格付とされるのか?
日本の金融庁は、国内で提供される信用格付について厳格な基準を設けています。しかし、国際的に使用される格付機関の評価は、日本の登録要件を満たしていない場合があり、それらの格付は「無登録格付」として扱われます。
無登録だからといって、格付け自体の信用度が低いわけではなく、単に日本の金融当局による監督下にないだけです。
無登録格付のリスクはあるのか?
無登録格付だからといって、即座に投資リスクが高まるわけではありません。しかし、以下の点には注意が必要です。
1. 格付の信頼性
「S&P」「Moody’s」「Fitch」などの国際格付機関は、世界的に高い信頼を得ています。しかし、国や市場によって評価基準が異なるため、日本の金融庁の規制とは別の視点で格付けされている点に注意が必要です。
2. 日本の金融機関の取り扱い
一部の日本の金融機関では、無登録格付の債券に対して慎重な対応を取る場合があります。例えば、金融商品の説明資料には無登録格付であることが明記されていることがあり、投資家がリスクを理解した上で購入することが求められます。
3. 市場での評価
国際市場では、無登録格付であっても広く信頼されているため、米国債や国際的な社債の取引においては特に問題視されることはありません。むしろ、S&PやMoody’sなどの格付けがない債券の方がリスクが高いとされることが多いです。
米国国債(ストリップス債)に無登録格付が付いていても問題ないのか?
ストリップス債(STRIPS: Separate Trading of Registered Interest and Principal of Securities)とは、米国財務省が発行する利付債を元にして、利息部分と元本部分を分離して取引される債券です。
1. 米国国債は信用度が極めて高い
米国国債は、世界で最も安全な債券の一つとされ、歴史的にデフォルト(債務不履行)リスクが非常に低い金融商品です。そのため、たとえ無登録格付であっても、市場では高い信用度を持つ投資先と見なされます。
2. ストリップス債の特性
ストリップス債は、米国政府が元本を保証するため、元本部分に関しては基本的にリスクがありません。ただし、市場金利の変動によって価格が大きく変動するため、長期保有する場合は金利リスクに注意が必要です。
まとめ:無登録格付は注意点を理解すれば問題なし
無登録格付(*付き格付)は、日本の金融庁の規制に基づくものであり、格付機関そのものの信頼性を否定するものではありません。特に、S&P、Moody’s、Fitchといった国際的な格付機関が評価している債券であれば、市場では十分に信用されています。
米国国債(ストリップス債)に関しては、元本の安全性が非常に高いため、無登録格付であっても特に問題はないと考えられます。ただし、投資判断をする際には、金利リスクや市場の変動に留意し、長期的な視点で運用することが重要です。
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