株価が大きく下がったタイミングで買いを入れる、いわゆる“バーゲンセール投資”は、ベテランの投資家や“おっさん投資家”と呼ばれる長期投資志向の層に根強く支持されています。しかし、その戦術は含み損を覚悟した上で行われるべきものなのでしょうか？本記事ではその実態と成功のポイントをわかりやすく解説します。
“バーゲンセール”とは何を意味するのか
株式市場で“バーゲンセール”とは、一時的に株価が急落し、本来の企業価値よりも割安に見える銘柄に対して買い注文を入れる戦略を指します。これは企業の本質的価値（ファンダメンタルズ）を重視する「バリュー投資」の一種とも言えます。
たとえば、業績や財務に問題がないにもかかわらず、外部要因（地政学リスクや一時的な決算ミス）で株価が下がることがあります。このようなケースを“バーゲン”とみなして拾うのが主な狙いです。
なぜ含み損を抱えやすいのか？
“バーゲンセール”投資は安値を狙う戦術であるため、「落ちるナイフを掴む」リスクと隣り合わせです。市場の底がどこなのかを見極めるのは極めて難しく、購入直後にさらに株価が下がるケースも珍しくありません。
そのため、一定期間含み損を抱える前提で買い、将来的な回復と配当などの利益で“取り返す”という発想で臨む必要があります。
実際の成功例と失敗例
例えば2020年のコロナショック時、日本航空（JAL）やANAホールディングスの株価は急落しました。ここで買いを入れた一部の投資家は、旅行需要の回復により数年後に利益を得ました。一方で、回復が予想より遅れたことで長期間含み損に耐えた人も多くいました。
また、2022年のロシア・ウクライナ戦争で下落した資源株を“バーゲン”と判断して買った投資家は、その後の資源価格上昇により恩恵を受けました。
バーゲン狙いでも重視すべきポイント
- 業績と財務の健全性: 一時的な悪材料で下落したか、本質的に問題がある企業か見極めが重要
- 長期目線の資金管理: すぐに利益を求めないスタンスと余裕資金での運用が前提
- 分散投資: 一点集中より、複数の“バーゲン銘柄”に分散してリスク低減
“おっさん投資家”の本質とは
ネット上で“おっさん投資家”という言葉が揶揄的に使われることもありますが、実際には経験に基づいた投資判断を行うベテラン投資家層を指す場合もあります。
彼らは値動きの荒さに一喜一憂せず、長期目線での企業成長と配当収入を重視することが多く、“バーゲンセール”でも冷静な視点を持っているのが特徴です。
まとめ：含み損は覚悟だが“計算された”リスク
“バーゲンセール”投資は、確かに含み損を一時的に抱える可能性が高い戦術ですが、「価値ある企業を割安で買う」という王道の戦略でもあります。
一時的な評価損に耐えられる資金計画と情報分析力があれば、有効なリターンを得る手段として機能します。
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