ラインへの“押し戻り”現象をどう呼ぶ？リテスト・リターンムーブ・ロールリバーサルの違いと正しい使い方

チャート分析において、価格がサポートラインやレジスタンスラインを抜けた後に、再びそのラインに戻る現象を何と呼ぶか。トレーダーの間では「リテスト」「リターンムーブ」「ロールリバーサル」などの言葉が使われていますが、それぞれの意味と使い方には微妙な違いがあります。本記事では、これらの用語の違いと使い分けについて詳しく解説します。

リテスト（retest）とは何か？

リテストとは、ある価格ライン（支持線・抵抗線など）を突破した後に、そのラインに戻ってくる現象を指します。多くの場合、ブレイクアウトの有効性を確認する“テスト”という意味合いがあります。

たとえば、抵抗線を上に抜けた後に、価格が再びそのラインに戻って跳ね返った場合、それは「リテストが成功した」と見なされ、トレンド継続のシグナルとして重視されます。

リターンムーブ（return move）の位置づけ

リターンムーブもリテストと同様に、ブレイクアウト後の戻りの動きを指します。ただし、価格の“戻り”という動作そのものを強調する用語です。

例えば、下降トレンドラインを上抜けた後に、再度そのラインにタッチして反発するような動きは「リターンムーブ」と表現されます。実際のトレードでの活用場面はリテストと重なりますが、言葉のニュアンスの違いを意識するとよいでしょう。

ロールリバーサル（role reversal）は“役割の変化”に注目

ロールリバーサルは直訳すると「役割の逆転」。サポートラインがレジスタンスラインに、またはその逆に“役割を変える”現象を指します。

例えば、100円で何度も支えられていた価格帯（サポート）が一度割れると、次はその100円が上値の壁（レジスタンス）として機能するようになる。このようなラインの“機能変化”をロールリバーサルと呼びます。

用語の選び方とトレードでの活用

用語の選び方には厳密なルールはありませんが、一般的には以下のように使い分けることが多いです。

実践では「このラインはロールリバーサルしてるからリテストが起きそうだ」といったように、これらの用語を組み合わせて使うこともあります。

実例：ドル円チャートでの用語の使い分け

たとえば、ドル円が過去に112円を天井として何度も反落していたとします。その後、強い上昇で112円を上抜けた場合、このラインがサポートとして機能するかが注目されます。

もし112円まで下落したあと再上昇したなら、それは「リテストが成功した」「リターンムーブがあった」「112円がロールリバーサルしている」と、それぞれの視点で表現できます。

まとめ：意味の違いを理解し、正しく使い分けよう

リテスト、リターンムーブ、ロールリバーサル――どれも似たような場面で使われますが、それぞれの意味やニュアンスには違いがあります。単なる用語の暗記ではなく、チャートの動きに対する理解と結びつけて活用することで、より精度の高いトレード判断ができるようになるでしょう。

名称にこだわるよりも、背景の意味を理解して応用することが、相場の本質を捉える第一歩です。

rieki

こんにちは！利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。