経済学では、需要と供給の関係から「均衡価格(市場が安定する価格)」を導き出すことがよくあります。その際に登場する「消費者余剰」や「生産者余剰」は、経済活動の効率性や恩恵を測るうえで重要な指標です。この記事では、具体的な数式を使ってわかりやすく解説します。
需要曲線と供給曲線を確認しよう
今回の設定は次の通りです。
- 需要曲線:p = 10 – q
- 供給曲線:p = q
ここで「p」は価格、「q」は数量を表しています。この2つの式を連立して、まずは「均衡価格」と「均衡取引量」を求めましょう。
均衡価格と均衡取引量の求め方
需要と供給が一致する点が均衡です。式を連立させて解きます。
10 - q = q → 10 = 2q → q = 5
このときの価格は、どちらの式に代入してもOKです。
p = q = 5
したがって、均衡価格は5、均衡取引量は5となります。
消費者余剰の求め方
消費者余剰とは、消費者が支払ってもよい最大の金額(需要曲線の高さ)と実際の支払額の差を面積で表したものです。
グラフで考えると、需要曲線の上限(p=10)と均衡価格(p=5)の差でできる三角形の面積になります。
消費者余剰 = (10 - 5) × 5 ÷ 2 = 12.5
つまり、消費者余剰は12.5です。
生産者余剰の求め方
生産者余剰は、生産者が受け取る金額と、提供してもよい最低金額(供給曲線の高さ)との差を表します。
供給曲線はp = qですから、始点は0(原点)です。均衡価格(p=5)との三角形の面積を求めます。
生産者余剰 = (5 - 0) × 5 ÷ 2 = 12.5
したがって、生産者余剰も12.5となります。
図で確認するとよりわかりやすい
もしグラフがあれば、次のようになります。
- 需要曲線:左上から右下に直線
- 供給曲線:左下から右上に直線
- 交点:q=5, p=5
この交点を基準に、上部の三角形が消費者余剰、下部が生産者余剰となります。
まとめ:数式から読み解ける市場の効率性
今回のように、需要と供給の式がシンプルな場合は、グラフの三角形の面積を使えば簡単に消費者余剰と生産者余剰が求められます。
計算のポイントは、「高さ×底辺÷2」という三角形の面積公式を忘れずに使うこと。これさえ押さえれば、他の問題にも応用ができます。

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