GDPから読み解く経済の基本:国内総生産・国民所得の用語をやさしく整理

経済、景気

経済の勉強をしていると、GDPやGNIといった用語がいくつも出てきて混乱しやすいですよね。この記事では、「34」「35」「36」に当たる経済指標を一つずつ整理しながら、計算の意味と違いをわかりやすく解説していきます。

34.国内総生産(GDP)から中間生産物を引いたものは?

これは「付加価値額(付加価値)」を意味します。つまり、企業や産業が原材料や部品などの中間生産物に自分たちの労働や資本を加えて生み出した“純粋な生産の価値”です。

たとえば、パン屋が小麦粉や砂糖(中間生産物)を使ってパンを作る場合、パンの売上から材料費を引いた残りが付加価値になります。これは労働者への給与や企業の利益などの源泉です。

35.GDPから固定資本減耗と間接税を引き、補助金を足したものは?

これは「国民純生産(NNP:Net National Product)〈市場価格ベース〉」です。NNPは、“経済活動によって実際に使える正味の価値”を表しています。

固定資本減耗とは、工場や機械の「使い減り」のことです。GDPに含まれている全体の生産額から、使い減った分を引いて“本当の稼ぎ”を見せるわけですね。さらに間接税を引いて補助金を加えることで、政府による価格操作を調整し、市場価格ベースに近づけます。

36.GDPに海外からの純所得を加えたものは?

これは「国民総所得(GNI:Gross National Income)」です。
GNI=GDP+海外からの純所得という計算式で表されます。

海外からの純所得とは、日本企業が海外で稼いできた配当や利子、賃金などから、日本が海外へ支払ったものを差し引いた金額です。つまり、“日本国民が世界中で稼いだ総所得”がGNIなのです。

指標ごとの違いを図でイメージしよう

指標 略称 内容
国内総生産 GDP 国内で生まれたすべての財とサービスの総額
国民総所得 GNI GDP+海外からの純所得
国民純生産 NNP GNI-固定資本減耗
付加価値 総生産額-中間生産物

覚え方のコツと実例

・GNI(国民の稼ぎ)=GDP+海外からの稼ぎ

・NNP(減耗後の実質稼ぎ)=GNI-使い古した設備の価値

たとえば、ある国のGDPが500兆円、海外からの純所得が10兆円、固定資本減耗が20兆円なら、
GNI=510兆円、NNP=490兆円になります。

まとめ

経済指標はややこしく見えて、実は「誰が、どこで、どのくらい稼いだか」を違う角度から見ているだけです。今回の問題では、

  • 34=付加価値
  • 35=国民純生産(NNP)
  • 36=国民総所得(GNI)

と整理できます。これらのつながりを意識すれば、経済の理解が一段と深まります。

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