ネット上の発言は風説の流布に該当する?誹謗中傷との違いや企業に対する法的リスクを解説

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SNSやQ&Aサイト、掲示板などで企業に関するコメントを投稿する際、何気ない発言が思わぬトラブルに発展することがあります。特に上場企業についての否定的な発言には「誹謗中傷」や「風説の流布」といった法的リスクが伴います。この記事では、その違いや該当する可能性、そして注意点を具体的に解説します。

誹謗中傷と風説の流布の違いとは?

誹謗中傷とは、個人や団体の社会的評価を貶めるような発言をすることです。これは名誉毀損や侮辱罪として民事・刑事の責任が問われる可能性があります。

風説の流布は、主に金融商品取引法に基づく概念で、「虚偽の情報」または「誤認を与える情報」を流すことで株価などの価格形成に影響を与える行為です。特に上場企業を対象とした発言で影響力が大きい場合、処罰対象になります。

どのような投稿が風説の流布になる可能性があるのか

金融商品取引法第158条では、虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて相場の変動を図ることが禁止されています。

たとえば、「トヨタが不正会計をしているらしい」「株価は暴落確実」などの投稿を、裏付けなしにネットに書き込んだ場合、それが事実でない場合には風説の流布に該当する可能性があります。

仮に悪意がなかったとしても、「影響力のある投稿」「多くの人の投資判断に影響を与えた」などの条件が重なると法的に問題視されやすくなります。

誹謗中傷に該当する可能性のある投稿例

「あの企業の社長は無能」「トヨタはもう終わりだ」などといった根拠のない断定的表現は、企業の名誉を損なうリスクが高く、名誉毀損や業務妨害として法的措置を取られるケースもあります。

特に大手企業に関しては法務部門が常にネット上の発言をモニタリングしており、重大な投稿はプロバイダー責任制限法に基づき投稿者の特定→損害賠償請求へとつながることも珍しくありません。

企業に関する発言で注意すべきポイント

  • 事実かどうか確認できない情報は投稿しない
  • 推測や意見を述べる際も「〜と思う」「〜と聞いた」など主観的表現を明記
  • 株価や業績に直接関わる情報は慎重に扱う
  • 感情的・攻撃的な言葉を避ける

たとえば、「最近トヨタの品質に関する報道が増えているが、情報源が明確でないため判断に注意したい」など、客観的・中立的な書き方を心がけることが大切です。

実際に起きた風説の流布に関する事例

過去には、個人投資家がネット掲示板に虚偽の決算情報を流し、株価操作を狙ったとして逮捕された事例があります。また、有名インフルエンサーが未確認の内部情報を発信し、企業側から名誉毀損で訴えられたケースもあります。

こうした実例からも、企業や株価に影響を与える発言がどれほど法的リスクを孕んでいるかがわかります。

まとめ:自由な発信には責任が伴う

ネット上で企業について発言することは誰でも可能ですが、内容によっては「誹謗中傷」や「風説の流布」として法的責任を問われる可能性があります。特に大企業に対して断定的な否定発言を行う際は慎重になるべきです。

情報を発信する自由とともに、根拠と責任を持った発言が求められる時代です。正確で公正な情報リテラシーを持ち、冷静な判断を心がけましょう。

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