FXや株式などのチャート分析において、「キリ番(キリの良い数字)」「サポレジ(サポート・レジスタンス)」「フィボナッチ・リトレースメント」は、それぞれ人気のあるテクニカル指標です。中でも、これらが重なるポイントでは、多くのトレーダーが「反発や転換の可能性が高い」と期待します。本記事では、それらが重なることの意味と、実際に活用する際の注意点について掘り下げて解説します。
キリ番とは?その心理的影響
キリ番とは「100円」「15000円」「1.0000」など、視覚的に覚えやすく心理的にも節目となる価格帯のことを指します。こうした価格帯では多くの注文が集中しやすく、売買が活発になる傾向があります。
たとえばドル円相場で「150円」や「100円」といったキリの良い数字は、過去にも強い抵抗帯・支持帯となったことが多く、トレーダーの間でも要注目の価格として扱われます。
サポート・レジスタンスの転換点とキリ番の重なり
サポートライン(支持線)とレジスタンスライン(抵抗線)は、過去に価格が反発したり止まったりした水準で、テクニカル分析では基礎中の基礎です。これがキリ番と一致すると、そのポイントでの売買意欲がさらに高まることになります。
実例として、過去に1,500円がサポートだった銘柄が再び下落してその価格に近づくと、同じ水準で押し目買いが入りやすい傾向があります。そこがちょうどキリ番でもあれば、反発の期待値はさらに上がるでしょう。
フィボナッチと重なると“鉄板”ゾーン?
フィボナッチ・リトレースメントは、相場が押し目・戻りの段階で止まりやすい水準を可視化するツールです。特に「38.2%」「50.0%」「61.8%」といった数値は多くのトレーダーに意識されています。
この61.8%のリトレースメントラインが、ちょうどキリ番かつ過去のサポレジと一致するような場面では、非常に多くの根拠が重なることになります。この「複数根拠が集約されたゾーン」は、押し目買いや戻り売りの候補として有望視されます。
相場の“否定”も前提に考えるべき
たしかに、キリ番・サポレジ・フィボナッチの組み合わせはテクニカル的には優位性が高く見えます。しかし、相場は“期待通り”に動かないこともあります。経済指標や地政学的リスク、突発的なニュースなどで、テクニカル分析が無視されるケースも少なくありません。
また、“鉄板”と見えるエントリーポイントは、多くの投資家が同時に注目しているがゆえに、逆に狩られる(ロスカットを巻き込む)ポイントになる可能性もあります。
重なりを活用する際の実践的ポイント
- 必ず複数根拠で確認する(例:水平線+キリ番+RSIの過熱感)
- エントリー後の損切り位置は明確に(反発しなかった場合の対応を準備)
- 過去の反発実績も確認(バックテストやチャートリプレイ機能を活用)
キリ番の存在は“万能”ではありません。過信せず、常にリスク管理とセットで使うことが大切です。
まとめ:根拠が重なるほど優位性は増すが、盲信は禁物
キリ番・サポレジ・フィボナッチなど複数のテクニカル根拠が重なることで、確かに期待値は高まります。しかし、それはあくまで“確率が高くなる”という意味に過ぎません。マーケットでは想定外の動きも常に想定しておくことが重要です。
テクニカル分析は戦略の一部であり、絶対ではありません。優位性のあるポイントでトレードしつつ、リスク管理を徹底する。この原則を守ることが、長期的なトレード成功への鍵となります。

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