株の両建てポジションをリスクなく解消する方法とは?現渡・現引きと成行注文の使い分けを解説

株式

株式投資において、両建てとは買いと売りの両方のポジションを同時に保有する戦略です。相場の急変に備えてリスクをヘッジする目的で使われますが、最終的に両建てポジションを解消する際には、適切な手順を踏まないと、思わぬ損失やコストが発生することもあります。本記事では、リスクを最小限に抑えつつ、両建てポジションを決済する具体的な方法を詳しく解説します。

両建てとは何か?基本をおさらい

両建てとは、同じ銘柄について「買い建て(信用買い)」と「売り建て(信用売り)」を同時に保有する状態のことです。この手法は相場の上下にかかわらず柔軟に対応できる反面、ポジションを解消する際の手続きが複雑になりやすいという特徴があります。

たとえば、買いポジションを現物で保有し、売りポジションを信用取引で建てている場合、価格変動によっては大きな損失や手数料が発生する恐れがあります。そのため、両建ては戦略的に使いこなす必要があります。

両建ての解消方法1:現引き・現渡し

両建ての中でも特に有効な決済方法が、現引き(げんびき)現渡し(げんわたし)です。

  • 現引き:信用買いした株式を、証券口座内の現金を使って現物化する
  • 現渡し:信用売りしている株式を、手持ちの現物株で決済する

これにより、マーケットの値動きによる影響を避けつつ、ポジションを手数料のみで効率的に解消できます。証券会社によっては手数料が割安に設定されている場合もあるため、確認しておくと良いでしょう。

両建ての解消方法2:大引けでの成行注文

もう一つの方法は、大引け(取引最終時刻)での成行注文を使って、同時に買いと売りを決済する方法です。

たとえば、以下のように設定します。

  • 14:59に信用買いポジションを成行売りで注文
  • 同時に信用売りポジションを成行買いで注文

これにより、終値で両方のポジションが確実に約定し、タイムラグによる価格変動のリスクを回避できます。ただし、相場の急変や板の流動性によっては、思わぬ価格乖離が発生することもあるため、確実性を重視するなら現引き・現渡しの方が安全といえるでしょう。

現引き・現渡しと成行注文の比較

項目 現引き・現渡し 成行注文
価格リスク なし ややあり
タイミング 任意(取引時間内) 大引け時に集中
手数料 証券会社による 売買手数料がかかる
必要な資金 現引きには現金が必要 信用余力で可

自分の資金状況やリスク許容度に応じて、最適な方法を選択することが大切です。

実例:両建てを安全に解消したケース

ある投資家は、決算発表直前に株価が荒れることを予測して、両建て戦略を実施。イベント終了後に現物株を現渡しして、信用売りを清算。同時に信用買いを成行売りし、結果としてほぼ損失ゼロでポジションをクローズしました。

このように、状況に応じて現渡・成行注文を組み合わせることで、安全かつ効率的な決済が可能となります。

まとめ:自分の環境に合わせた方法を選ぼう

両建てポジションをリスクなく解消する方法は、大きく分けて「現引き・現渡し」と「成行注文による同時決済」の2つです。それぞれにメリットと注意点があり、自身の資金状況やタイミングに応じて選択することが重要です。

証券会社によって制度や手数料も異なるため、事前に確認し、トレードの安全性と効率性を両立させましょう。

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