2025年に入り、オーストラリア準備銀行(RBA)は2度の利下げを実施し、政策金利を3.85%まで引き下げました。これはインフレ率の鈍化や世界経済の不確実性を背景とした措置です。今後の利下げの可能性や豪ドルの動向について詳しく解説します。
RBAの最近の利下げとその背景
RBAは2025年5月20日の会合で、政策金利を0.25ポイント引き下げ、3.85%としました。これは2年ぶりの低水準であり、今年に入ってから2回目の利下げです。インフレ率がRBAの目標範囲内(2~3%)に収まっていることや、国際的な経済不確実性が高まっていることが背景にあります。
例えば、2025年第1四半期の消費者物価指数(CPI)のトリム平均値は前年比2.9%となり、2021年後半以来初めて目標範囲内に戻りました。これにより、RBAは金融政策を緩和する余地があると判断しました。
今後の利下げの可能性と市場の予想
市場では、RBAが今後も利下げを継続する可能性があると見込まれています。スワップ市場では、7月の追加利下げの確率を60%、8月の利下げを100%以上織り込んでいます。また、2026年半ばまでに合計0.85ポイントの利下げが想定されています。
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のアナリストチームも、利下げの幅が大きくなり、ペースも速まると予想しています。具体的には、2026年2月までに政策金利が2.6%まで下がると見込んでいます。
豪ドルの為替レートへの影響
利下げは通常、通貨の価値を下げる要因となります。実際、RBAの利下げ発表後、豪ドルは対米ドルで一時0.8%安となりました。また、政策に敏感な3年国債利回りは19ベーシスポイント低下し、3.45%を付けました。
しかし、今後の利下げが市場に織り込まれている場合、追加の利下げが発表されても豪ドルの下落幅は限定的となる可能性があります。市場の期待とのギャップが為替レートに大きな影響を与えるため、RBAの声明や経済指標の発表に注目が集まります。
インフレ率と労働市場の動向
インフレ率の鈍化は利下げの主な要因の一つです。2025年第1四半期のCPI総合指数は前年比2.4%で横ばいでしたが、サービス価格の上昇率は3.7%と、2022年第2四半期以来の低水準となりました。
一方、労働市場は引き続き堅調であり、失業率は低水準を維持しています。RBAは、インフレを抑制すると同時に雇用市場を比較的良好な状態に維持できていると述べています。
今後の注目ポイント
今後の金融政策の動向を予測する上で、以下の点に注目する必要があります。
- インフレ率のさらなる鈍化が確認されるか
- 労働市場の状況が引き続き堅調か
- 国際的な経済不確実性の影響
- RBAの声明や経済指標の発表内容
これらの要因が、RBAの今後の利下げ判断や豪ドルの為替レートに影響を与えると考えられます。
まとめ
2025年に入り、RBAは2度の利下げを実施し、政策金利を3.85%まで引き下げました。インフレ率の鈍化や国際的な経済不確実性が背景にあります。市場では今後も利下げが継続されると予想されており、豪ドルの為替レートにも影響を与える可能性があります。投資家や経済関係者は、RBAの声明や経済指標の発表に注目し、今後の動向を見守る必要があります。

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