「毎月いくら積み立てて、年利◯%で運用したら将来いくらになる？」という積立投資のシミュレーションは、資産形成の第一歩を踏み出すうえで多くの人が利用するツールです。しかし、その計算が複利を含んでいるのかどうかを正しく理解しておくことが重要です。
積立シミュレーションに使われる複利とは？
積立投資における「複利」とは、元本に対する利息だけでなく、その利息にも利息がつくという計算方法を意味します。つまり、利益が再投資され、雪だるま式に資産が増えていくイメージです。
たとえば、年利5%で100万円を運用した場合、1年目の利益は5万円ですが、2年目は105万円に対して5%がかかり、5万2500円の利益となります。これが複利の効果です。
一般的なシミュレーションツールは複利を前提としている
多くの金融機関や投資系ウェブサイトで提供されている積立シミュレーターは、複利計算を前提として設計されています。これは、長期投資の再現性や将来資産の推定を現実に即して行うためです。
具体的には、毎月の積立額に対し年利を月利に換算し、各月ごとに資産が増えていく形で複利運用が行われます。例えば「年利5%」なら「月利0.407%」として計算されます。
単利と複利の違いを理解する
単利計算では、利息は元本に対してしか発生しません。たとえば、毎年5万円の利息を受け取るが、その利息を再投資しないといった状況です。一方、複利計算では、前述のように利息も含めて運用されます。
複利と単利の違いは、10年、20年という長期になるほど結果に大きな差が出ます。資産形成を目的とする場合は、必ず複利の考え方を取り入れることが望ましいです。
シミュレーションの限界と注意点
シミュレーション結果はあくまで将来の予測であり、実際の市場環境や投資先のパフォーマンスによって変動します。また、手数料や税金が加味されていないケースも多く、過信は禁物です。
加えて、毎月の積立額や年利を固定として扱っているため、経済状況の変化による調整は反映されません。そのため、シミュレーションは「参考値」として利用し、定期的な見直しが必要です。
具体的なシミュレーション例で理解を深めよう
例：毎月3万円を年利5%で20年間積み立てた場合
- 単純な合計積立額：3万円 × 12ヶ月 × 20年 ＝ 720万円
- 複利での将来資産：約1,238万円（シミュレーターによる結果）
このように、同じ金額でも複利効果によって500万円以上の差が生まれることが分かります。
まとめ：複利は積立投資の最大の武器
積立シミュレーションは通常、複利を前提に設計されており、将来資産を予測するうえで有効なツールです。とはいえ、正確な理解がないまま使うと誤解を生む原因にもなります。複利の仕組みをしっかりと理解した上で、シミュレーション結果を活用しましょう。資産形成には「時間」と「継続」が何より重要です。
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