競争均衡における総余剰の計算と規制の影響

経済、景気

経済学において、競争市場の均衡価格や数量、総余剰などは、需要曲線と供給曲線の交点で決まります。また、政府が市場に介入することで、価格や数量に変化が生じ、消費者余剰や生産者余剰、総余剰にどのような影響を与えるのかを理解することが重要です。本記事では、競争均衡における総余剰の計算方法と、政府による規制がどのように市場に影響を与えるかについて詳しく解説します。

競争均衡における総余剰の計算

まず、競争均衡における総余剰を計算するためには、需要曲線と供給曲線の交点を求める必要があります。需要曲線が Q_D = 36 – 2P、供給曲線が Q_S = -8 + 2P で与えられています。

この場合、競争均衡の価格と数量は、需要量と供給量が等しくなる点で決まります。つまり、Q_D = Q_S の時、価格Pを求めます。

36 - 2P = -8 + 2P

この方程式を解くと、P = 11 となり、競争均衡価格は11になります。次に、この価格を供給曲線または需要曲線に代入して、競争均衡数量を求めます。

Q = 36 - 2(11) = 14

競争均衡数量は14となります。

総余剰の計算

総余剰は消費者余剰と生産者余剰を足し合わせたものです。消費者余剰は需要曲線と価格の間にある三角形の面積、生産者余剰は供給曲線と価格の間にある三角形の面積で表されます。

消費者余剰は次の式で計算できます。

消費者余剰 = 1/2 × (需要量) × (最大支払意志額 - 市場価格)

生産者余剰は次の式で計算できます。

生産者余剰 = 1/2 × (供給量) × (市場価格 - 最低受け入れ価格)

これらの値を使って、総余剰を求めます。

政府による上限価格設定が総余剰に与える影響

政府が市場に介入し、取引価格に上限を設定することがあります。たとえば、価格上限を8円に設定した場合、供給曲線と需要曲線の交点が変更されます。上限価格が設定されると、企業はその価格で販売を強いられるため、供給量は減少し、需要は増加する可能性があります。

上限価格が8円の場合、需要量は次のように求められます。

Q_D = 36 - 2(8) = 20

供給量は次のように求められます。

Q_S = -8 + 2(8) = 8

価格上限が設定されることにより、需要量と供給量が異なるため、総余剰は競争均衡と比べて減少します。

物品税が総余剰に与える影響

物品税が課せられる場合、供給曲線が上にシフトします。たとえば、製品1単位当たり2円の物品税を課す場合、供給曲線は次のように変化します。

新しい供給曲線:Q_S = -8 + 2(P - 2)

このように税が加わることで、企業はより高い価格で製品を提供しなければならなくなり、消費者はより高い価格で製品を購入することになります。これにより、生産者余剰と消費者余剰の両方が減少し、総余剰も減少します。

まとめ

競争均衡における総余剰は、需給関係によって決まりますが、政府による価格規制や物品税などが市場に介入すると、供給量や需要量が変化し、総余剰に大きな影響を与えることがあります。上限価格の設定や物品税の導入は、市場効率を低下させる可能性があり、総余剰を減少させることが多いです。

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