株式トレードにおいて「大陽線確定後の始値買い」は人気のある手法の一つです。シンプルかつ視覚的に判断しやすいエントリーポイントである反面、“高値掴み”というリスクも孕んでいます。では、この手法は本当に“高値圏の買い”なのか、それとも合理的な戦略なのか?その本質に迫ります。
大陽線の意味とその後のエントリーポイント
大陽線は、始値から終値まで価格がほぼ一貫して上昇したことを示すローソク足です。市場参加者の強い買い意欲を示すこの足形は、トレンド発生のサインと見なされることが多く、次足の始値でエントリーするのはセオリーの一つとされています。
ただし、この「確定した大陽線に乗る」行為は、心理的には“勢いに乗る”ことでもあり、適切なリスク管理をしなければ、上昇トレンドの終盤で掴んでしまう危険性があります。
高値圏での買いとはどう判断するか?
単に直近高値を更新しただけで“高値掴み”と判断するのは早計です。重要なのは以下の視点です。
- 過去の抵抗帯との比較:長期チャートで見て過去の節目を上抜けたか。
- ボラティリティの確認:上昇幅が平均的な日足レンジに比べて極端ではないか。
- 出来高の伴い方:買いが殺到して“過熱感”があるかどうか。
このような要素を踏まえることで、単なる高値更新と、本当の高値圏買いの違いを見極めることが可能になります。
損切り幅と利確幅でのリスク・リワード設計
仮にエントリーポイントが「高値圏」であったとしても、損切り幅と同等かそれ以上の利幅を見込めるのであれば、理論上はトレード戦略として成立します。特にリスクリワード比1:2以上であれば、多少の失敗があってもトータルで利益になる確率が高まります。
たとえば、エントリー価格が1,000円、損切りを950円、利確目標を1,100円とした場合、リスクリワード比は1:2となり、2回に1回の成功でも十分利益が出せる設計です。
実例:成功と失敗のケーススタディ
成功例:A社株が5日移動平均線を支えに大陽線を形成し、次足始値でエントリー。出来高増加も確認され、1週間後には10%上昇し利確成功。
失敗例:B社株が連続陽線の後にさらに大陽線。エントリー後に急反落し、直近高値が“天井”だったことが判明。損切りを置いていなかったために大損。
このように、大陽線後のエントリーは成功と失敗が紙一重です。環境認識とルールの徹底が不可欠となります。
高値掴みを避けるテクニック
高値掴みを防ぐためには、以下のテクニカル指標や判断材料が有効です。
- RSI:70以上であれば過熱感あり。
- MACDのデッドクロス警戒:大陽線が出ても下降転換中なら要注意。
- フィボナッチ:利確目標・押し目の判断に便利。
これらを複合的に活用することで、エントリーポイントの信頼性を高めることができます。
まとめ:大陽線後の買いは戦略次第で“高値掴み”にならない
大陽線確定後のエントリーは、高値圏での買いになることもありますが、損切りと利確の設計が適切であれば戦略として十分成立します。問題は“どこまで伸びる余地があるか”“市場がどのくらいの熱量を持っているか”の見極めにあります。
「高値で買って高値で売る」ことができるのもトレードの醍醐味。テクニカル分析に自信を持ち、リスク管理を怠らなければ、チャンスを掴むことができるでしょう。

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