国債投資において利回りの確認は非常に重要です。特に「残存期間10年の日本国債の複利利回り」と「新発10年国債の利回り」は混同されやすく、それぞれ異なる意味を持ちます。この記事では、複利利回りの確認方法と、両者の違いについて詳しく解説します。
そもそも複利利回りとは何か?
複利利回りとは、国債を満期まで保有した場合に得られる総利息と元本から年平均でどれだけの利回りが得られるかを示すものです。再投資を前提とした「利回り」であり、単利利回りと比べてより実質的な運用効果を測れます。
たとえば、2%の利率で毎年受け取る利子を再投資した場合、その再投資分も利息を生むため、単純な年2%よりも高い実質利回りになります。これが複利の特徴です。
残存期間10年の国債の複利利回りを確認する方法
残存期間10年の日本国債の複利利回りを調べるには、主に以下の方法があります。
- 財務省「国債金利情報」:毎営業日更新の利回り情報が公開されています。
- 日本相互証券(BB):イールドカーブや利回り表に複利ベースのデータが記載。
- 証券会社のマーケット情報:SBI証券、楽天証券などでも国債利回りの情報が確認可能。
これらのサイトでは、各銘柄の「残存期間」に応じた複利利回りが日々更新されています。残存10年のものを探すには、発行年や満期日から算出された残存年数に注目してください。
新発10年国債とは?
新発10年国債は、その時点で「新たに発行された10年満期の国債」を指します。市場での指標金利としても用いられており、日本国債の利回りの代表値としてニュース等でよく取り上げられます。
この利回りは、今現在発行される10年債の利率を示しているため、過去に発行された既発債とは必ずしも一致しません。
残存10年債と新発10年債の違い
両者の主な違いは「発行時期と利率」「市場価格」「信用リスクや取引の流動性」などにあります。
- 新発債:現在の金利水準を反映した発行利率。
- 既発債(残存10年):過去に発行された債券で、利率が現行水準と異なる。市場価格により実質利回りも変動。
つまり、同じ残存10年でも、発行時期が違えば利回りに差が出るのです。これは売買価格と保有利息のバランスによって、投資家が得られる複利利回りが異なるためです。
実際の利回りの例(参考)
例えば、A国債(発行から5年経過し残存10年)の利率が1.0%、市場価格が98円だとすると、表面利率以上の複利利回りが期待されます。一方、新発債が利率0.9%で発行された場合、額面100円での購入となるため、複利利回りは表面利率とほぼ同等です。
このように、「利率」と「複利利回り」には明確な違いがあるため、価格と利率の関係性を見て利回りを判断する必要があります。
まとめ:複利利回りは本質的なリターンを測る指標
残存期間10年の日本国債の複利利回りは、市場で売買される既発債の価格や利率に基づいて変動します。新発10年債はその時点での金利の指標にはなりますが、投資リターンの参考にはなっても同一ではありません。
正確な複利利回りを把握するには、財務省サイトなどの公的データや、証券会社のマーケット情報を活用しましょう。国債投資での判断を誤らないためにも、複利の考え方と確認方法を押さえておくことが大切です。

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