金や銀のETF(上場投資信託)を利用することで、手軽に貴金属に投資できる一方で、裏で展開される取引に潜むリスクもあります。特に、実物資産の確保に問題を抱えている金融機関が関与している場合、その信頼性に疑問が生じることがあります。この記事では、現在の金ETF市場の現状、リスク要因、そして投資家が考慮すべきポイントについて解説します。
金ETF市場の仕組みとその魅力
金ETFは、金の現物を保有していなくても、投資家が金にアクセスできる手段として広く利用されています。例えば、iシェアーズゴールド(JPモルガン)やSPDRゴールドシェア(HSBC)などのETFは、金を現物として保有する代わりに、金の先物や証券化された金を取引することで、価格の変動に連動しています。
これにより、少額で金市場に投資できるというメリットがありますが、同時に現物金の実際の保有状況や、裏で行われている取引の透明性に疑問を持つ声も上がっています。
ブリオンバンクの現物銀リース問題
最近の注目すべき事例として、ロンドンの貴金属ディーラーMario Innecco氏が語った「銀のETFで現物銀が不足している問題」があります。彼によると、ブリオンバンク(JPモルガンやHSBCなど)は現物銀のリースにおいて問題を抱えており、現物銀にアクセスできない状況にあります。特に、リースレートが10%を超えており、これが銀の価格上昇の一因とされています。
このように、貴金属ETFに関与する金融機関が現物金や銀を保有していない場合、ETFの価値が裏付けられていない可能性があり、投資家はリスクを十分に認識する必要があります。
中央銀行の実物金・銀需要とその影響
近年、中央銀行がETFや先物取引を避け、実物の金や銀を直接購入する動きが強まっています。これは、従来の金融機関に対する信頼が低下し、実物資産の確保が最優先事項とされているためです。特に、未割当の貴金属には興味がなくなり、実物の金や銀を求める動きが加速しています。
このような動きは、金や銀の市場に影響を与え、ETFが取り扱う金や銀の需給バランスにも大きな変動をもたらす可能性があります。
HSBCやJPモルガンの信頼性は?
金ETFを運営するHSBCやJPモルガンなどの金融機関に対して、投資家の信頼が揺らいでいます。特に、現物の金や銀の確保に問題があるという報告が相次いでいるため、そのカストディアン(保管者)としての信頼性が問われています。
例えば、ブリオンバンクが現物資産にアクセスできない現状が続けば、ETFを通じて金や銀に投資することが本当に安全なのか、再考する必要があります。
まとめ:金ETFへの投資を検討する際の注意点
金ETFは、手軽に金に投資できる手段として人気がありますが、裏で行われている取引や金融機関の信頼性を十分に理解することが重要です。特に、現物資産にアクセスできない金融機関が関与している場合、投資家はそのリスクを十分に認識し、慎重に投資判断を下すべきです。
また、中央銀行の動きや貴金属市場の需給バランスの変化にも注目し、今後の市場動向をしっかりと把握しておくことが求められます。

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