全世界株式インデックスファンド、通称「オールカントリー」は、先進国から新興国まで幅広い株式を対象にしたインデックスファンドであり、特にeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が代表的です。投資初心者から中上級者まで人気の高い商品ですが、その仕組みやリバランスの影響について正確に理解することが重要です。
オールカントリーの構成比率はどうやって決まる?
オールカントリーは、MSCI ACWI(All Country World Index)という株価指数に連動するよう設計されています。この指数は「時価総額加重型」で、各国・地域の株式市場の規模に応じて構成比率が決まります。つまり、米国株式市場が大きいため、必然的に米国株の比率が高くなります。
具体的には、2024年時点での構成比率はおおよそ米国60%前後、欧州15%、日本6%、新興国13%といったバランスです。
リバランスとは?なぜ3ヶ月ごとに行われる?
リバランスとは、インデックスファンドの構成比率が基準指数からズレた場合に、再び目標とする指数に合わせて調整する作業です。オールカントリーの場合、MSCIの構成変更や価格変動を踏まえて、四半期ごとにリバランスが実施されます。
たとえば、欧州株が上昇し、米国株が横ばいだった場合、相対的に欧州の構成比率が増加することがありますが、指数自体が大きく変更されなければ、その比率が大きくシフトすることは基本的にありません。
米国株が不調だと欧州・新興国の比率はどうなる?
投資信託は「価格変動」ではなく「時価総額比率」に基づいて組成されます。したがって、仮に米国株が長期にわたり低調であり、他地域の株式が著しく成長すれば、相対的に米国株の構成比率は低下する可能性があります。
しかし、それには相当の時価総額の変動が必要です。短期的なリバランスでは比率の大幅な変化は見込めず、構成比が「欧州・新興国6割、米国3〜4割」になるには、米国株式の時価総額がかなり落ち込み、かつ他国株式が急拡大する必要があります。
構成比率の変動はどの程度現実的か?
実際にオールカントリーの構成比率が大きく変わるには、数年単位のトレンド変化が求められます。過去10年の米国株は突出したパフォーマンスを示してきたため、これを覆すだけの勢いが欧州・新興国に必要となります。
たとえば、新興国株が5年間で年率20%超のリターンを記録し、米国株がゼロ成長という極端なケースであっても、構成比率が逆転するのは難しい可能性があります。
投資家が知っておくべきポイント
- オールカントリーの構成はMSCI ACWIに準拠している
- 短期的な地域ごとのパフォーマンスで構成比率が大幅に変わることはない
- リバランスは指数維持のための調整であり、資産配分の変更とは異なる
- 特定地域への投資を増やしたい場合は地域特化型のETFなども検討を
まとめ:リバランスと地域構成の変化は長期視点で
オールカントリーは長期的な成長を見据え、グローバルに分散投資を行うためのファンドです。リバランスは指数に合わせた調整であり、短期的に構成比率が劇的に変化することはまれです。
米国株が不調でも、他地域の急成長が構成比率を引き上げるには時間がかかります。特定の地域を強化したい投資家は、別途ポートフォリオ内でのバランスを調整するのが現実的です。

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