トレードにおいて「押し目買い」は重要なエントリーポイントの一つですが、その判断基準をどこに置くかはトレーダーの腕の見せ所です。サポレジ転換・移動平均線(20MA)・フィボナッチなど、単体の指標では信頼性が低く、複数のテクニカルを組み合わせることが鍵になります。この記事では、押し目買いの戦略を組み立てる際に有効な3つの指標と、そのミックス活用法を解説します。
サポート・レジスタンス転換だけでは根拠が弱い理由
サポレジ転換(Support becomes Resistance/Resistance becomes Support)はチャートパターンの中でも重要な概念ですが、それだけに頼ると「ダマシ」も多く、機能しないケースがあります。特に出来高が伴わないサポレジ転換は一時的な反応に留まることが多いため注意が必要です。
例えば、1時間足で見たときにサポートラインで反発したとしても、日足や4時間足でのトレンドが逆行していると、反転は限定的になりやすいです。
移動平均線(20MA)単体では遅行性がネック
20MA(20期間移動平均線)は短期のトレンド判断に多く使われますが、価格に遅れて反応するという性質から、トレンドが変化した後にようやく追いつくことが多く、エントリーポイントとしては後手に回る傾向があります。
特にレンジ相場では20MAは水平に近くなり、ダマシの反発も多いため、移動平均線単体で押し目を判断するのはリスクが高くなります。
フィボナッチは「心理的節目」だが単体では不十分
フィボナッチリトレースメント(特に38.2%、50%、61.8%)は市場参加者の心理的な節目となりやすく、多くのトレーダーが意識していますが、必ずしもその水準で反発するとは限りません。
例えば、61.8%ラインで反発することもありますが、それがトレンドの転換点である保証はなく、むしろ割り込んだ場合は急落に転じるケースもあります。
3つの根拠が重なると信頼度が上がる
単体では弱かったテクニカル指標も、複数の要素が重なることで有効性が一気に高まります。例えば、以下のようなポイントが理想的です。
- 過去に何度も反発した価格帯(サポレジ転換)
- そこに20MAが重なる
- さらにフィボナッチ61.8%に近い
このようなポイントは、「三重根拠の押し目」と呼ばれ、ダマシが少なくなる傾向があります。トレーダーの多くが注目するため、反発が起きやすいのです。
具体例:三重根拠がそろった押し目
例えば、ある通貨ペアが上昇トレンド中で、過去にサポートとして機能していた水準に戻ってきたとします。この水準にちょうど20MAが重なり、フィボナッチ61.8%の戻し地点でもあれば、エントリーの根拠として非常に強いといえます。
さらに、ローソク足のパターン(例:ピンバーや包み足)で反発が確認できれば、エントリーの精度はより高まります。
複数根拠を活用するための実践的な流れ
- まずは大きな時間足(日足・4時間足)でトレンドを確認
- 次にサポレジの水準をマーク
- 20MAの位置を確認して重なるかを見極める
- フィボナッチを引いて、主要な反発レベルが近いかを確認
- ローソク足の反応を見て、反発を確認した上でエントリー
このように、テクニカルを組み合わせて検証することで、信頼性の高い押し目買い戦略を構築できます。
まとめ:単体よりも「重なり」で精度を上げよう
サポレジ転換・20MA・フィボナッチといったテクニカルは、どれも便利なツールですが、単体では限界があります。しかし、これらを重ねて使うことで、エントリーの根拠を強化し、勝率を高めることが可能です。
押し目の精度を上げるためには、テクニカル指標の組み合わせだけでなく、「時間軸の組み合わせ」「出来高」など、複合的な視点で相場を観察することが重要です。習熟すればするほど、相場の動きに対する理解も深まるでしょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント