「米ドルは世界の基軸通貨」と言われて久しいですが、近年ではその立場が揺らぐ可能性も議論されています。本記事では、もし米ドルの価値が下がったり、基軸通貨の地位から外れたりした場合に、投資信託・米国債券・ビットコイン・金といった資産にどのような影響が及ぶのか、長期保有を前提にした視点から解説します。
基軸通貨「米ドル」が果たす役割とは
米ドルは現在、世界の貿易・金融・原油決済などにおける主要通貨として機能しています。国際決済の約6割が米ドルで行われており、外貨準備としても圧倒的な存在です。つまり、米ドルが安定していることが世界経済全体の安定につながっています。
このため米ドルの価値が下がると、単に米国だけでなく、世界中の資産や金融市場に波及的な影響が出る可能性があります。
もし米ドルが基軸通貨でなくなったら何が起きる?
米ドルの信認が低下し、他の通貨(たとえば人民元やユーロ)が国際基軸通貨として台頭すると、以下のような影響が考えられます。
- 米国の資金調達コストが上昇(ドル債の需要減)
- インフレ圧力の増加
- 為替市場の不安定化
- 金やビットコインの価格上昇(代替資産として)
つまりドル資産に依存しすぎていると、価値の目減りを被るリスクが増すことになります。
現在の投資商品に与える影響を分野別に解説
①世界株・米国株のインデックス投資信託
米ドルが下落すれば円ベースでの評価額は下がる可能性があります。ただし、S&P500などの米国企業が国際展開している場合、現地通貨建て収益に支えられ影響が緩和されるケースもあります。
②米国債券(生債券)
ドル建てで保有しているため、為替リスクの影響を直に受けます。ドル安=円高となれば、償還時に円換算で目減りする可能性が高くなります。
③金(ゴールド)
金は通貨不安時の「逃避先」として機能しやすく、ドルが弱体化すれば上昇しやすい資産です。米ドルとの逆相関性が高いため、ドル下落局面では逆に保有価値が増す可能性も。
④ビットコイン(暗号資産)
ビットコインも「非中央集権的」な性質から、ドルの代替的資産として見られる傾向があります。ただしボラティリティが極端に高いため、安全資産とは言えません。
分散投資でリスクを抑える戦略の重要性
今回のような「米ドル下落」というテーマは、グローバル分散投資の重要性を再確認させてくれます。複数の通貨、地域、資産クラスに分散して投資しておくことで、ある一国の通貨・経済状況に強く依存することなく資産を守ることができます。
例えば米国株に加えて全世界株式インデックス、ゴールドETF、日本円建ての債券なども適度に取り入れることで、変動リスクに強いポートフォリオを構築できます。
今後の備え:長期投資家にできること
米ドルの地位が今すぐに変わるとは考えにくいものの、こうした地政学的・金融的な変化に備えることは重要です。通貨リスクを意識した資産構成を心がけ、定期的なリバランスや情報収集も欠かさないようにしましょう。
加えて、暗号資産や金といった「非通貨型」資産を少額でも持つことで、万一の時に資産全体のダメージを抑えることも可能です。
まとめ:備えあれば憂いなし、が投資の基本
米ドルが弱体化する可能性はゼロではありませんが、現実には徐々に進行するテーマであり、過度な心配よりも戦略的な対応が重要です。今の保有資産の中にもヘッジ効果のあるもの(例:金)が含まれており、ポートフォリオとしてはある程度バランスが取れているように見受けられます。
このように、多角的に備えておくことが長期投資成功のカギになります。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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