株式取引において、VWAP(出来高加重平均価格)は重要な指標の一つです。しかし、実際に計算してみると、証券会社や取引プラットフォームで表示されるVWAPの値と一致しないことがあります。この記事では、VWAPの正確な計算方法と、数値が一致しない主な理由について解説します。
VWAPの基本的な計算方法
VWAPは、ある期間内の取引価格と出来高を用いて計算されます。基本的な計算式は以下の通りです。
VWAP = 総売買代金 ÷ 総出来高
ここで、総売買代金は各取引の価格と出来高を掛け合わせたものの合計です。つまり、
総売買代金 = Σ(取引価格 × 出来高)
例えば、ある銘柄が以下のように取引された場合。
取引価格 | 出来高 |
---|---|
1700円 | 10,000株 |
この場合、総売買代金は1700円 × 10,000株 = 17,000,000円、総出来高は10,000株となり、VWAPは17,000,000円 ÷ 10,000株 = 1700円となります。
VWAPの数値が一致しない主な理由
実際の取引で計算したVWAPと、証券会社や取引プラットフォームで表示されるVWAPの値が一致しない理由はいくつかあります。
1. 計算期間の違い
VWAPは通常、1日の取引時間全体を対象に計算されますが、一部のプラットフォームでは特定の時間帯(例:前場のみ、後場のみ)を対象に計算されることがあります。そのため、計算期間の違いにより数値が異なることがあります。
2. データの取得方法の違い
VWAPの計算には、取引価格と出来高の詳細なデータが必要です。プラットフォームによっては、リアルタイムのデータや終値ベースのデータを使用している場合があり、これが数値の違いを生む原因となります。
3. 小数点以下の処理方法
VWAPの計算結果は小数点以下の値を含むことが多く、プラットフォームによっては表示の際に四捨五入や切り捨てなどの処理が行われます。この処理方法の違いが、表示されるVWAPの値に影響を与えることがあります。
4. 特定の取引を除外している
一部のプラットフォームでは、特定の条件を満たす取引(例:異常値や特定の時間帯の取引)をVWAPの計算から除外している場合があります。これにより、計算結果が異なることがあります。
正確なVWAPを把握するためのポイント
VWAPを正確に把握するためには、以下の点に注意することが重要です。
- 使用しているプラットフォームのVWAPの計算方法や対象期間を確認する。
- 可能であれば、自分で取引データを収集し、独自にVWAPを計算してみる。
- VWAPはあくまで参考指標であり、他のテクニカル指標と併用して総合的に判断する。
まとめ
VWAPは、取引の平均価格を把握するための有用な指標ですが、計算方法や使用するデータによって数値が異なることがあります。自分で計算したVWAPとプラットフォームで表示されるVWAPが一致しない場合は、計算期間やデータの取得方法、小数点以下の処理方法などを確認し、違いを理解することが重要です。VWAPを正しく活用することで、より効果的な取引判断が可能となります。

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