株主でありながら平社員として働くことは可能?会社内での立ち位置と法的・実務的なリアルを解説

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会社の株主でありながら、その会社に入社し、社員やアルバイトとして働いている人は存在するのか──一見すると不思議な立ち位置に見えるこの状況。株主と従業員という立場はどのように共存するのか、法律的な観点や実際の企業事例を交えて詳しく解説します。

株主と従業員の立場は法的に両立できるのか

株主であっても、その会社に社員やアルバイトとして入社することは法律上、まったく問題ありません。会社法では、株主は会社に対して「出資者」としての権利(議決権や配当請求権など)を持つに過ぎず、雇用契約とは別の立場として扱われます。

つまり、株主であっても、採用される要件を満たしていれば、面接を経て従業員になることに支障はありません。

実際に存在する「株主で平社員」の事例

中小企業では特に多く見られるパターンで、創業者の家族が一部株を保有しながら一般職として働いているケースがあります。例えば、創業者の子が大学卒業後、いち社員として入社し、最初は現場経験を積むという形です。

また、ベンチャー企業などでは、従業員にストックオプションや自社株を与える制度があり、その結果、社員でありながら一定の株式を持つ「株主兼従業員」となる例もあります。

立場の違いが引き起こす心理的・組織的なギャップ

株主としては株主総会で経営に対して意見する立場である一方、社員としては上司の指示に従う必要があります。このダブルスタンダードに戸惑う人も少なくありません。

特に自分より若い役職者に指示されることに違和感を持つ株主従業員もいますが、これは職務上の上下関係であり、株主としての地位とは切り離して考える必要があります。

会社が注意すべきポイント:利益相反と情報管理

株主でもある従業員に対しては、利益相反行為やインサイダー取引の観点から、情報管理を徹底する必要があります。たとえば、経営上の機密情報を一般社員に公開する際、その社員が株主でもある場合には、事前の取り決めや守秘義務契約が求められます。

また、社内の人間関係のトラブル回避のために、株主であることを明示するか否かは状況に応じた判断が重要です。

立場を上手に活かすためのポイント

「株主であり社員」という立場は、一見すると矛盾しているようで、うまく活かせば組織にとって貴重な存在となります。たとえば、社員目線での業務改善提案を株主総会で正当な意見として述べることができます。

また、企業側もこのような人材を社内の橋渡し役として活用することで、現場の声を経営に反映しやすくなるというメリットがあります。

まとめ

「株主でありながら平社員として働く」という立場は、法的にも実務的にも可能であり、特に中小企業やスタートアップでは決して珍しいことではありません。重要なのは、その立場をどう活かし、誤解やトラブルを防ぐかという視点です。明確な役割理解と適切な情報管理により、株主兼従業員という立ち位置は会社にとって大きなプラスとなる可能性を秘めています。

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