日本のバブル経済崩壊(1990年前後)を経験した方にとって、現在の株価上昇には「再び急落するのでは?」という不安がつきまとうかもしれません。しかし、当時と今では経済環境や金融政策、株式市場の仕組みが大きく異なっており、同様の暴落は起きにくいと考えられています。本記事ではその違いと理由を詳しく見ていきます。
1990年前後のバブル経済とは何だったのか
バブル経済とは、資産価格が実態を大きく上回って高騰した状態を指します。1980年代後半、日本は金融緩和・地価上昇・過剰融資などを背景に株式と不動産の価格が急騰しました。
1989年末には日経平均株価が38,915円という史上最高値を記録しましたが、1990年代初頭に政府の金融引き締めが始まりバブルが崩壊。株価は急落し、その後長期にわたる経済停滞(失われた10年)へと繋がりました。
現在の株式市場は過去とどう違う?
現在(2020年代)の株式市場は、実体経済とのバランスや企業収益力を重視する投資が主流です。PER(株価収益率)やROE(自己資本利益率)といったファンダメンタルズ指標が重視され、単なる期待先行のバブルとは異なる性質を持っています。
また、金融庁や日銀などの金融政策・制度設計も整備されており、市場の暴走を抑える仕組みが存在します。
再び1990年のような暴落が起きにくい理由
- 情報の透明性:企業の開示情報や市場監視体制が格段に向上しており、過度な投機を抑える仕組みが整っています。
- 多様な投資家層:外国人投資家や個人投資家が広く市場に参加しており、需給バランスが一部の機関に偏らなくなりました。
- 金融政策の柔軟性:インフレ対策や景気刺激に対して中央銀行が迅速に対応できるようになっており、クラッシュリスクを分散しています。
とはいえ、過信は禁物:暴落リスクは常に存在する
たとえ1990年型の崩壊は起きにくいとしても、地政学リスクや急な金利上昇、金融危機などで株価が下がる可能性は常にあります。2020年のコロナショックでは、わずか1カ月で30%以上の下落がありました。
そのため、「どんな時でも暴落はある」と想定した上でリスク管理を徹底することが重要です。
投資家として意識すべきポイント
- 長期視点で投資する:短期の上げ下げに一喜一憂せず、企業価値の成長に着目する。
- 分散投資を徹底する:資産を国内外・業種などに分散して、リスクを最小化。
- 定期的な情報収集:マーケットや政策動向、世界情勢にアンテナを張る。
まとめ:1990年型バブル崩壊の再来は可能性が低いが油断は禁物
1990年のバブル崩壊と現代の株式市場は、背景・仕組み・監視体制など多くの点で異なります。したがって、当時のような無秩序な暴落の可能性は低くなっていると考えられます。
とはいえ、暴落のきっかけは突然やってくるため、適切なリスク分散と冷静な資産管理を続けることが、安定した投資成果につながります。

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