株主優待の条件としてよく見られる「継続保有1年以上」。一見シンプルに思えるこの条件ですが、実は証券会社や企業の定義によっては注意が必要なケースもあります。本記事では、売買履歴の変化が優待権利にどう影響するかを具体例を交えてわかりやすく解説します。
「継続保有1年以上」の基本ルール
株主優待制度における「継続保有1年以上」とは、主に「同一の株主番号で、継続して1年以上株式を保有していること」が求められます。これは企業によって微妙に異なりますが、多くの場合、毎年の権利確定日時点で株主名簿に記録されているかどうかが判断材料になります。
そのため、株式を一度すべて売却してしまうと、たとえ翌日に買い戻したとしても、保有期間はリセットされてしまう可能性があるため注意が必要です。
具体例でみる売買の影響
たとえば次のような売買履歴があった場合を考えてみましょう。
- 2024年3月:100株を購入
- 2024年5月:さらに100株買い増し(合計200株)
- 2024年6月:100株を売却(残り100株)
このケースで2025年4月の権利確定時点に100株保有していたとしても、3月に買った最初の100株を6月に売却していた場合、「その100株は保有していない」と見なされる可能性があります。つまり、5月に買い増した分が残っていた場合は、その株式の保有期間が「1年未満」となり、優待の条件を満たさない可能性が出てきます。
証券会社や企業によって判断が異なるため、詳細はIR資料や証券会社に確認することが重要です。
「株主番号」と「名義変更」にも注意
継続保有とみなされるためには、「同一の株主番号」で保有している必要があります。たとえば、証券口座の移管(特定口座から一般口座、または別の証券会社への移管)や、相続・名義変更などがあった場合、株主番号が変わる可能性があります。
その場合、実質的に同じ人物が株式を保有していたとしても、企業側からは「保有が継続されていない」と判断されることがあるため注意が必要です。
証券会社の「残高継続確認サービス」とは?
一部の証券会社では、継続保有年数を判定するための「残高継続確認サービス」を提供しています。これは、証券会社が株主名簿と照らし合わせて、「いつから保有しているか」を記録・確認できる仕組みです。
このようなサービスを活用すれば、企業側の判定にもスムーズに対応できることがあります。NISA口座での運用やクロス取引にも影響するため、積極的に利用しましょう。
制度の違いは企業のIR情報で確認を
株主優待制度は各企業ごとに設計されており、「1年以上の継続保有」の定義や判定基準も異なります。例えば「3月末・9月末の株主名簿に3回以上連続で記載されたこと」とする企業もあります。
このため、必ず各企業のIRページで優待条件を確認し、不明点はIR窓口に問い合わせることをおすすめします。
まとめ:売買と保有期間の関係を意識しよう
「継続保有1年以上」という条件を満たすには、単に1年以上保有するだけではなく、売買履歴や名義変更、証券会社の取扱など複数の要素が絡んできます。
特に、一部売却や買い増しがあった場合は、どの株が残っているのかを意識して、条件を満たしているかを確認することが大切です。優待を逃さないためにも、企業の優待制度と証券会社のサポート体制をうまく活用しましょう。

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