ピザの原材料価格が上昇したとき、供給・価格・取引量はどう変化する?マクロ経済的に徹底解説

経済、景気

物価や原材料費が変動すると、供給や価格にどう影響するのかを理解することはマクロ経済学の基本です。今回はピザを例にして、原材料価格の上昇が市場にどのような影響を与えるかを丁寧に解説していきます。

原材料価格の上昇とはどういうことか?

ピザを作るには小麦粉、チーズ、トマトソースなどの材料が必要です。これらの仕入れ価格(原材料価格:Pm)が上昇すると、ピザの製造コストが高くなります。

企業が利益を確保するには、価格を上げるか、生産量を減らすなどの対応が必要になります。したがって、供給の動きに変化が出るのは当然のことです。

供給関数の変化:S(P)からS(P, Pm)へ

供給関数Qs=S(P)は、通常ピザの販売価格Pだけに依存していました。しかし、Pmの影響も加わることで、Qs=S(P, Pm)となり、Pmの上昇によって供給量が減少する仕組みになります。

つまり、一定の価格Pにおいて、Pmが上がるとQsは減少し、供給曲線は左方(上方)にシフトすることになります。

需要が一定の場合の市場均衡の変化

需要関数は変わらず一定と仮定した場合、供給曲線の左シフトによって市場での均衡が以下のように変化します。

  • 均衡価格:上昇する
  • 均衡取引量:減少する

なぜなら、供給が減ったことで市場に出回るピザの数が減り、結果として希少性が高まり価格が上昇します。高価格により一部の消費者が購入を控えることで、取引量も減るのです。

グラフが示す変化のイメージ

横軸に取引量Q、縦軸に価格Pをとったグラフで、供給曲線が左上にシフトすると、需要曲線との交点(均衡点)は左上に動きます。これが価格の上昇と数量の減少を意味します。

実際の教科書や試験では、このグラフの変化を図示させる問題もよく見られます。

実社会の例:小麦価格の高騰とピザ価格

例えば世界的に小麦価格が高騰した場合、ピザチェーン店は価格を値上げするか、提供サイズを小さくするなどして対応します。これも供給側のコスト増に起因する対応です。

その結果として、消費者の購入意欲が減退し、ピザの販売数も減る可能性があります。まさに供給の減少→価格上昇→取引量減少という流れです。

価格の上昇が引き起こす波及効果

原材料価格の上昇は、ピザに限らず他の食品や関連産業にも波及する可能性があります。たとえばチーズの価格上昇はピザだけでなく、グラタンやラザニアなどの他の加工食品にも影響を及ぼします。

また、価格の上昇による実質所得の低下は消費者の生活全体に影響を与え、消費行動の変化を引き起こすこともあります。

まとめ:原材料価格上昇による市場の影響

原材料価格Pmが上昇すると、供給関数が変化し、供給量が減少するため、均衡価格は上昇し、均衡取引量は減少します。これは基本的な市場メカニズムによる結果であり、マクロ経済学の理解を深める良い例です。

このような分析力を身につけることで、ニュースや経済の動きをより深く理解できるようになるでしょう。

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