「配当利回りが高い株を配当直前に買って、翌日に売れば日利数%の利益が得られるのでは?」という疑問を持つ投資初心者は少なくありません。一見魅力的に見えるこの戦略ですが、実際にはいくつかの見落としがちな落とし穴が存在します。この記事では、その仕組みと注意点を詳しく解説します。
配当利回り3%の株を短期で売買する戦略とは?
この戦略は「配当落ち日前に株を買い、権利を獲得して、翌日売却することで配当と株価の下落差分の利益を狙う」というものです。たとえば、100万円分の株を買って年利回り3%=配当3万円を受け取り、株価が翌日に1%しか下がらなければ、差し引き2万円が利益になるという考えです。
このロジックを毎営業日繰り返せれば「実質日利1〜2%で運用できる」と思いがちですが、現実はそう単純ではありません。
配当落ち日には株価がどう動く?
配当落ち日には理論上「配当額」分だけ株価が下がるのが一般的です。例えば配当が1株30円なら、株価も同日に30円下がると考えられます。これは市場参加者が「配当の権利がなくなった」ことを織り込むためです。
ただし、実際には相場環境や需給によって上下するため、配当額と一致しないことも多く、逆に株価が上昇するケースもあれば、配当以上に大きく下げるケースもあります。
「実質日利1%」が成立しにくい理由
配当落ち日に1%しか下がっていない銘柄もあるように見えますが、それは結果論であり、事前に読めるものではありません。
加えて、株式売買には約定代金に対して手数料や税金(特に配当には20.315%の源泉徴収)が発生します。これらを加味すると「日利1%」はかなりハードルの高い数字です。
高配当株に潜む罠とボラティリティ
配当利回りが3%以上に見える銘柄の中には、業績悪化による株価下落で見かけ上の利回りが上がっているものもあります。これは「配当利回りトラップ」とも呼ばれ、減配や無配リスクも孕んでいます。
また、短期売買は値動きの激しい局面に巻き込まれやすく、損切りの判断も難しくなります。ボラティリティが高い銘柄では数%の含み損が一瞬で発生することも。
現実的な戦略と初心者に向く投資手法
安定的に配当を得たいなら、無理に短期売買で日利を追うよりも、長期保有によるインカムゲイン+値上がり益の併用戦略が現実的です。
ETFや高配当株ファンドなどを通じて分散投資する方法もあります。moomoo証券などの配当カレンダーを活用しつつ、長期的な視点でポートフォリオを構築しましょう。
まとめ:高配当狙いの短期トレードは慎重に
「配当利回り3%の株を買って翌日売る」という戦略は、理論上は魅力的に映るものの、税金・手数料・株価の変動・市場リスクを加味すると、安定した収益を得るのは困難です。
初心者の方はリスクを十分に理解した上で、資産形成の第一歩として長期目線での投資を心がけることをおすすめします。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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