1990年代初頭、いわゆる“ITバブル”あるいはバブル後期の株式市場を眺めると、指数の指標水準が現在と比べて驚くほど高かったことが分かります。ここでは、特に 日経平均株価 の代表的な割高指標であるPER(株価収益率)およびPBR(株価純資産倍率)を、当時の状況と現在の状況の比較を通じて整理します。
PER・PBRとは何か
まず、PERは「株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)」であり、投資家が企業の利益1円あたりどれだけの株価を支払っているかを示す指標です。
次に、PBRは「株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)」であり、企業の純資産1円あたりに対して株価がどれだけ上乗せされているかを示します。これらは「割高/割安」の判断材料として利用されます。
バブル期(1989年末~2000年前後)の水準
まず、1989年12月29日終値で3万8,915円を付けた日経平均の時点では、PERが約60倍前後、PBRが約5~6倍とされていました。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
例えば、ある報告では「史上最高値時点のPERは60.9倍、PBRは5.6倍だった」とされています。:contentReference[oaicite:2]{index=2} また、同PDF報告では、1990年初期の東証1部/TOPIXベースで「PER61倍、PBR5.6倍」という記載もあります。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
また、“ITバブル”期とされる2000年4月12日の日経平均2万833円という水準の時点では、予想PERが約71.8倍という試算も報じられています。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
現在との比較:なぜ水準が異なるか
それに対して、最近のデータでは日経平均のPERが約16~17倍、PBRが約1.4~1.5倍という水準まで下がっていると報じられています。:contentReference[oaicite:5]{index=5}
この差が生まれた背景には、企業の収益力が向上したこと、株主還元(配当・自社株買いなど)が強化されたこと、そしてバブル期と現在では市場参加者の構成や規制・情報環境が大きく異なることがあります。
具体例で見る「割高」の実感
例えば、1株あたり利益が290円だったという当時の推定から、日経平均2万833円 ÷ 290円 ≒ 71.8倍というPER水準が導出されています。:contentReference[oaicite:6]{index=6}
また、報告によると当時1株利益638円という試算に対して、PBR5.6倍という数値も示されており、企業純資産に比して株価が5倍以上積み上がっていたことが読み取れます。:contentReference[oaicite:7]{index=7}
なぜこの水準が“バブル”と呼ばれるのか
株価を利益水準で割り戻した際にPERが60~70倍、純資産から割り戻した際にPBRが5倍超という水準は、通常の成長を織り込んだ上でもかなり過熱的と評価されます。実際、バブル崩壊後は指数が大きく下落しました。
そのため、こうした高バリエーションの背景には、過度な期待・マネーの過剰流入・土地価格や不動産資産の含み益が株価に反映された構造があったとされ、歴史的に「バブル期の典型例」と見なされています。:contentReference[oaicite:8]{index=8}
まとめ:今知っておきたいポイント
・1989年末~2000年前後の日本株市場において、日経平均ベースのPERはおおよそ【60~70倍】、PBRは【約5~6倍】という水準が記録されていました。
・現在と比べると、PER約16~17倍、PBR約1.4~1.5倍という水準と大きく異なっており、過熱の程度には明確な差があると読み取れます。
・ただし数値だけで“割高=すぐに暴落”とは言えず、企業業績の変化・市場構造・マクロ環境などを複合して捉えることが重要です。時代背景も大きく異なります。
バブル期の数値を知ることは、現在の株式市場を眺める上で「この値はかつてどのくらいだったか」を振り返る一つの手掛かりになります。過去の高バリエーションを知ることで、今の水準を相対的に理解する助けになるでしょう。
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