仮想通貨が広く普及する中、マネーロンダリング(資金洗浄)への悪用も深刻な問題となっています。多くの人が「取引所で身分証を提出するのに、なぜ犯罪に使われるのか?」と疑問を抱きます。本記事では、仮想通貨によるマネーロンダリングの実態や、警察による追跡が難しい理由について詳しく解説します。
仮想通貨とマネーロンダリングの関係
マネーロンダリングとは、不正に得た資金の出所を隠す行為のことです。仮想通貨は匿名性が高く、かつ国境を越えて即時に送金が可能であるため、マネーロンダリングに悪用されるケースが少なくありません。
特にビットコインなどのブロックチェーン上の通貨は履歴が全て残るものの、アドレスの持ち主を特定するのが難しいという特性があります。
なぜ「足がつかない」と言われるのか?
一見、取引所の口座開設に身分証明書が必要なため、簡単に身元が分かりそうに思えます。しかし、実際には以下のような方法で「足がつかない」ようにされています。
- ダークウェブでの売買:匿名で他人名義のアカウントが売買されている。
- ミキシングサービス:複数の取引を混ぜて資金の流れを複雑化し、追跡を困難にする。
- 非中央集権型取引所(DEX)の活用:本人確認が不要な取引所での送金が行われる。
また、一部の国や地域では本人確認(KYC)が緩い取引所も存在しており、そうしたプラットフォームを経由することで警察の捜査網を回避することが可能になっています。
仮想通貨の取引履歴は完全に追えるのか?
ビットコインやイーサリアムなど、ほとんどの仮想通貨はブロックチェーン上にすべての取引が記録されており、技術的には「トレーサビリティ(追跡可能性)」が非常に高いといえます。
しかし、アドレス自体は文字列でしかなく、現実の人物とアドレスを結びつけるには別の情報が必要になります。警察や当局が捜査に必要なIPアドレスや端末情報を入手するには、プライバシー保護の観点から一定の法的手続きを踏まなければなりません。
具体例:過去に発覚した仮想通貨マネロン事件
2021年には、日本人が海外取引所を利用し、フィッシング詐欺で得た仮想通貨を洗浄していた事件が摘発されました。この事件では「匿名性の高い仮想通貨Monero(モネロ)」を利用し、数回にわたって別のウォレットへ送金を繰り返していました。
このように、資金の流れを何重にも偽装することで、摘発を回避する手法が取られています。
警察や国際機関の対応と課題
FATF(金融活動作業部会)や各国の金融庁は、仮想通貨の規制を強化する動きを見せています。取引所にはKYCの厳格化や取引履歴の保存義務が課されていますが、グローバルな視点で見れば規制の統一には限界があるのが現状です。
また、資金洗浄の摘発には高度なブロックチェーン解析技術と国際的な情報共有が必要であり、技術力・予算・人材がネックになっています。
まとめ:マネロン防止の理解を深めて賢く取引を
仮想通貨は便利な反面、悪用されるリスクも抱えています。マネーロンダリングの仕組みを理解しておくことは、正しく仮想通貨と向き合うために重要です。金融リテラシーを高め、健全な投資活動を行うためにも、知識を深めていきましょう。

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