株式投資を始めたばかりの方にとって、特定口座の「自動で税金を計算してくれる仕組み」や「損益通算」の意味はややこしく感じるかもしれません。この記事では、年間の損益がマイナスになった場合にどう課税されるのか、特定口座での取引の流れに沿って丁寧に解説します。
特定口座とは?源泉徴収あり・なしの違い
特定口座とは、証券会社が年間の取引報告書を作成してくれる便利な口座です。中でも「源泉徴収あり」の特定口座を選ぶと、証券会社が自動で税額を計算し、納税まで代行してくれます。
「源泉徴収なし」の場合は年間取引報告書の作成だけが行われ、自分で確定申告が必要になります。税金の自動処理を望むなら「源泉徴収あり」が基本です。
年間損益がマイナスなら課税されない?
特定口座(源泉徴収あり)では、利益が出た取引に対してその都度、税金が自動的に差し引かれます。しかし年末に通算して損失がある場合、その年の利益分についての税金が還付されるしくみがあります。
例えば、1月に10万円の利益、12月に15万円の損失を出した場合、最終的な損益は−5万円で、確定申告をすれば1月に引かれた税金が戻ってきます(源泉徴収ありの場合)。
損益通算の範囲と注意点
損益通算は、同じ課税方式の金融商品でのみ可能です。例えば、株式取引の損失は株式やETFの利益としか通算できず、配当や利子、仮想通貨などとは別扱いです。
また、「源泉徴収あり」の特定口座同士であっても、異なる証券会社間では自動で通算されません。この場合も確定申告を行うことで通算・還付が可能です。
繰越控除で翌年以降も損失を活用できる
その年の損失が大きく、利益を超えてしまった場合には、翌年以降3年間にわたって繰り越すことが可能です。これを「繰越控除」と言い、確定申告を継続して行うことで翌年以降の利益から差し引くことができます。
例:2024年に−50万円、2025年に+30万円なら、2025年の課税対象は30万−50万=−20万円となり、課税されません。
実例で理解する特定口座の損益通算
【事例1】
・A証券(源泉徴収あり):利益30万円、損失10万円 → 課税対象は20万円分
・B証券(源泉徴収あり):利益0円 → 通算されない
→ 確定申告で通算すれば、課税額はさらに減る
【事例2】
・年内に利益10万円、損失10万円 → 相殺されるので課税なし(確定申告不要)
・利益の方が多い場合のみ源泉徴収が発生するが、年末時点で損益通算されてマイナスなら還付あり(確定申告必要)
まとめ:特定口座の利便性と確定申告の活用
- 特定口座(源泉徴収あり)では証券会社が自動で税計算・納税
- 損益通算により年内の損益がマイナスなら税金はかからない
- 別証券会社との損益通算や繰越控除には確定申告が必要
- 年間損益の把握と節税のために定期的な損益確認が大切
税金面での不安を取り除き、安心して投資を継続するには、特定口座のしくみと損益通算の活用方法をしっかり理解することが重要です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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