FXの「持ち越し」のリスクと戦略:ギャップアップ・ギャップダウンを正しく理解する

外国為替、FX

為替市場では週末を挟んでポジションを持ち越すかどうか、判断に迷う方も多いでしょう。特に初めてリアル口座で取引を始めたばかりの方にとっては、「持ち越しのリスク」や「ギャップアップ/ギャップダウン」の仕組みは馴染みにくい概念かもしれません。本記事では、週またぎでポジションを持つ際の注意点とリスク管理について解説します。

持ち越しとは?週末や連休をまたぐポジション戦略

FXにおける「持ち越し」とは、週末(金曜夜)や祝日などの市場が閉まるタイミングをまたいでポジションを保有し続けることを指します。この行動はリスクとリターンのバランスを見極めたうえで行う必要があります。

たとえば、金曜日の夜にドル円を売り(ショート)ポジションで持ち越し、月曜日に円高が進行していれば利益になります。しかし、その逆にドル高が進めば、損失を被る可能性があるのです。

ギャップアップとギャップダウンとは何か?

週明けの為替レートが金曜の終値と大きく異なることを「窓が開く」といい、これは「ギャップアップ」または「ギャップダウン」と呼ばれます。

  • ギャップアップ:週明けの始値が金曜の終値よりも上に位置する
  • ギャップダウン:週明けの始値が金曜の終値よりも下に位置する

売りポジションを持っていた場合、ギャップアップでスタートすると損失が拡大します。逆に、買いポジションの場合には利益が削られたり損失になることもあります。

売りでもギャップアップは起きるのか?

もちろんです。売り(ショート)ポジションを持っていた場合でも、週明けにポジティブなニュースやイベント(米雇用統計、地政学リスクの後退、中央銀行の政策変更など)でドルが買われれば、週明けに大きくギャップアップすることは十分にあります。

例として、金曜終値が145.50円だった場合に、週明けに146.20円でスタートすれば、70pipsのギャップアップになります。これが逆方向に進むため、売り手には不利となるのです。

持ち越し時のリスク管理方法

ポジションの持ち越しには必ずリスク管理が必要です。以下の対策が効果的です。

  • ストップロス(損切り)の設定:予想外の動きにも対応できるよう、自動的に損失を限定する
  • ロット数を減らす:ポジション量を調整し、想定外のギャップでも強制ロスカットを防ぐ
  • 経済指標カレンダーを確認:週明けに大きな指標発表やイベントがあるかを事前に把握

また、週明けにスプレッドが大きく広がる傾向があるため、月曜早朝の取引は注意が必要です。

スワップポイントの考慮

金曜日の夜にポジションを持ち越すと、3日分のスワップが発生します。特にドル円のショートポジションでは、マイナススワップが多く設定されていることがあり、スワップだけで損失になることもあります。

ただし、月曜日に新たなポジションを建てる場合、スワップは原則発生しません。したがって、持ち越しによるコストと利益期待を天秤にかけることが重要です。

まとめ:持ち越しはリスクを知ったうえで慎重に

FX取引において、持ち越しはリスクとリターンが混在する戦略です。売りでも買いでも、週明けの相場変動で「ギャップ」が発生することはあり得ます。ギャップダウンも普通に起こる現象です。

「持ち越しは危険」という教訓は、感情的な話ではなく、予期しない出来事に備える意味で非常に大切です。ロスカットを避けるためにも、ストップロスの設定やロット管理などを怠らず、リスクと向き合う姿勢を持つことが長期的なトレードの成功につながります。

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