積立NISAは本当に危ないのか?制度の仕組みと誤解を徹底解説

資産運用、投資信託、NISA

近年、積立NISA(ニーサ)が政府主導で推進されていることに対して「米国株を買わされているだけでは?」「本当に国民のためになるの?」という懐疑的な意見も見られます。制度の本質を理解せずに不安を感じるのは当然のことです。本記事では、積立NISAの仕組みとよくある誤解、リスクを正しく理解し、自分に合った投資判断を下せるようにわかりやすく解説します。

積立NISAの目的と仕組みを正しく理解する

積立NISAは、金融庁が主導する国民の資産形成支援策です。対象商品は、一定の条件を満たした長期・分散・積立に適した投資信託に限られており、毎年一定額まで非課税で積立が可能です。

制度の主なポイントは以下の通りです。

  • 年間投資上限:120万円(新NISAでは変更)
  • 非課税期間:20年
  • 対象商品:信託報酬が低いなど、金融庁の基準を満たした商品

つまり、短期売買やハイリスク投資を防ぎ、長期的な資産形成を目指す仕組みなのです。

「米国株を買わされているだけ」というのは誤解

たしかに、多くの積立NISA対象ファンドにはS&P500など米国株インデックスに連動する商品が含まれていますが、それは「人気だから選ばれている」のであり、国や政府が無理やり買わせているわけではありません。

例えば、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)などは、過去20年近くにわたって好成績を収めており、実際のリターンを重視して投資家が選んでいます。

「政府が利益を吸い取っている」という主張の根拠は?

積立NISA制度自体は非課税であり、国が個人から利益を直接得る仕組みではありません。むしろ、通常の口座であれば発生するはずの約20%の税金が免除されるので、投資家にとってメリットは大きいと言えます。

ただし、NISA制度に乗じた高コストの投資信託などを売りつける悪質な販売業者がいるのも事実です。投資先は自分で選ぶという視点が重要です。

積立NISAは本当に危ないのか?

積立NISAは、リスクがまったくないわけではありませんが、「少額から時間分散してリスクを抑える」ことを前提とした制度です。毎月一定額を積み立てることで、市場の高値掴みリスクを下げることができます。

実際に2008年のリーマンショック時からコツコツと積み立てた人は、10年以上後に大きなプラスのリターンを得ているケースが多く見られます。

初心者が積立NISAを活用する際のポイント

初心者の方には以下のポイントが特に重要です。

  • 信託報酬が安く、長期成績が良いインデックスファンドを選ぶ
  • 無理のない範囲で毎月一定額を積み立てる
  • 数ヶ月の値動きに一喜一憂しない
  • 「なぜこの商品に投資しているのか」を自分なりに説明できるようにする

また、金融庁公式サイトやモーニングスター、楽天証券などの評価サイトで、ファンドの比較・確認を行うこともおすすめです。

まとめ:積立NISAは制度の本質を理解すれば有効な選択肢

積立NISAに対する否定的な意見の多くは、制度の仕組みや背景を正しく理解していないことが原因です。制度はあくまで「選択肢のひとつ」であり、強制されるものではありません。

重要なのは「自分の資産をどう形成していくか」を主体的に考えること。積立NISAはその手段として十分に機能しますが、利用の是非はあなた自身の判断に委ねられています。

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