FX取引における「トレーディング収益」とは何か、その仕組みと計上方法について正しく理解することは、トレーダーにとって重要です。特に、FX業者がどのように収益を得ているのか、その透明性を知ることで取引の安心感も高まります。
トレーディング収益とは?決算書での位置づけ
FX業者の決算書に記載される「トレーディング収益」は、顧客との取引によって発生した差益やスプレッドなどを含む利益のことを指します。これは営業収益の一部として計上され、通常は取引量の多い業者ほど金額が大きくなります。
具体的には、顧客の注文を自社内で相殺する「B-book(呑み行為)」方式を採用している業者であれば、顧客の損失がそのまま業者の利益となり、それが「トレーディング収益」として反映されます。
顧客の損失=業者の利益となるケース
B-bookモデルの場合、FX業者は顧客からの注文を市場に流さず、社内でカバー(相殺)するため、顧客が損失を出せばその分が業者の利益になります。この利益が「トレーディング収益」として決算に計上されます。
たとえば、Aさんが10万円の損をすれば、業者はその分を利益として計上できます。逆にAさんが10万円の利益を出した場合、業者はそれを支払う必要があり、損失として扱われます。
A-book方式との違い:顧客と市場を直接つなぐ業者
一方で「A-book」方式を採用する業者は、顧客の注文をそのまま市場に流すため、業者自体がトレーディング収益を得る構造にはなりません。収益源は主にスプレッドや取引手数料になります。
したがって、A-book業者の決算書では「トレーディング収益」はほとんど記載されないか、別の形で表現されることが一般的です。
利益構造の透明性:業者選びの重要な基準
FX業者によって収益構造が異なるため、「自分の損が誰の得になるのか?」という視点で業者選びをすることが大切です。特に、B-bookを採用する国内業者では、約定の透明性や顧客保護の仕組みも併せて確認すべきでしょう。
また、信託保全やスリッページの発生頻度、リクオート率などもチェックすることで、より健全な取引環境が整っているか判断できます。
実例:業者の決算書から読み解く収益構造
例えば、ある国内FX業者の決算書には「営業収益:150億円」のうち「トレーディング収益:120億円」と明記されています。これは、顧客との取引で生じた利益が全体の80%を占めることを意味し、B-bookモデルを主体にしていると推察できます。
これに対して、A-book主体の海外業者などでは、取引手数料やスプレッド収入が主で、「トレーディング収益」は低水準または計上されていません。
まとめ:顧客の損失が収益に直結するかは業者のモデル次第
FX業者の「トレーディング収益」は、その収益構造によって異なり、特にB-bookモデルでは顧客の損失がそのまま利益として計上されるケースが存在します。決算書を読み解くことで、業者のビジネスモデルを把握し、より適切な取引先を選ぶ判断材料になります。
今後も透明性の高い取引環境を提供する業者を選ぶことが、個人トレーダーにとってリスクを減らし、長期的に利益を上げるための重要なステップとなるでしょう。

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