近年、貴金属の中でも特にプラチナの相場が上昇しています。投資家の間でも注目が集まる中、なぜこのタイミングでプラチナの価格が上がっているのか、背景や要因をわかりやすく解説します。
プラチナ需要の回復:自動車業界からの追い風
プラチナは主に自動車の排ガス浄化装置(触媒)に使われています。特にディーゼル車ではパラジウムではなくプラチナが使用される傾向にあり、欧州を中心にディーゼル車需要が安定したことで再び需要が高まりました。
また、水素燃料電池車(FCV)にもプラチナは不可欠な触媒素材であり、次世代自動車への期待が価格上昇を後押ししています。
供給の不安定さ:南アフリカの情勢が影響
世界のプラチナ供給の約7割以上を担っているのが南アフリカです。しかし、同国では電力不足や労働争議、政情不安などがたびたび起き、安定供給が難しい状況です。
供給に不安があると、需要が同じでも価格が上がるのが市場の原理です。特に2024年は発電インフラの問題が深刻化し、鉱山の稼働に影響を与えたことが価格に反映されています。
インフレと金属投資のシフト
世界的なインフレ傾向の中で、資産の一部を貴金属に分散する動きが広がっています。金に比べて割安感があるプラチナに注目が集まっており、投資需要が増しています。
特にETF(上場投資信託)を通じて投資する個人・機関投資家が増加し、需給のバランスに影響を与えています。
パラジウムからの代替需要
従来、ガソリン車の排ガス浄化にはパラジウムが主に使用されていました。しかし、パラジウムの価格高騰により、よりコストの低いプラチナへの代替が進んでいます。
自動車メーカーがコスト削減のためにプラチナを再び選ぶことで、需給が引き締まり、価格が上昇しているのです。
地政学リスクと安全資産としての魅力
ロシアや中東地域の地政学的リスクが高まる中、安全資産への資金流入が起こりやすくなります。プラチナもその一つであり、特に投機的な動きではなく、実需と安定資産の両側面で支持されています。
また、金や銀と同様に、ポートフォリオの分散投資先として機関投資家に再評価されている点も注目に値します。
まとめ:多面的な要因が相場を押し上げている
プラチナの相場上昇には、単なる一時的なブームではなく、実需・供給リスク・投資需要といった複数の構造的な要因があります。
特に、今後の再生可能エネルギー分野や水素社会の拡大において、プラチナは重要な素材としての地位を築いていくと考えられます。投資対象としても、しっかりとその背景を理解して判断することが重要です。

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